フレッドの気持ちは嫌がらせ
「お、おう、そう言えば、そうかもしれないな。リザークの言う通りだよなぁ……」
「そうだ。謝りたいお詫びしたいというのは、確かに僕の気持ちだ。僕の自己満足を満たすために……彼女が傷つくなんて考えもしなかった」
ほっ。
まぁ、実際は、毎日顔を合わせてますけどね。全然気にしてませんけどね。
「な?だから、忘れろ。忘れてやれ。それが、一番いい。うん」
さて。問題解決、解決。
「だ、めだ……僕は……やっぱり、忘れられない……」
だーっ。
「じゃぁ、思い出すな!」
「おい、リザーク、そう無理を言ってやるな。フレッドは、あれだろ、思い出そうとしなくても、彼女のことがつい浮かんでしまうってやつだろう」
なんだよそれ。ラッキースケベを繰り返し思い出すとか……ああ、まぁ、思春期か。
「悪かったよ。フレッドが覚えていようと忘れられなかろうと、それは仕方がない。でも、彼女のこと探したり、彼女の前に姿を現したり声をかけたりはしないほうがいいと思う。思い出したくないだろうし、嫌な気持ちになるだろうし……」
そうですよ。
探すな。近づくな。関わるな。
……悪役令嬢の死亡フラグをなめんなよっ!
「……真剣に、その……将来にわたって責任を取るというのも、迷惑だろうか?」
「迷惑にきまってんだろっ!」
責任ってなんだっての!
責任をとって結婚しようとかだと、悪役令嬢が第二王子の婚約者で、ヒロイン登場ってルートそのまんまじゃねぇかよっ!
「いやいや、案外その子もフレッドのこと好きかもしれないじゃん」
と、マージがフレッドをたきつけるようなことを言う。
「はぁ?でもさ、責任取って仕方なくみたいな言われ方されたら嬉しいと思う?」
「お、おう、確かに、それは、うん、なんか嫌かな……」
「し、仕方なくじゃないっ。僕が、そうしたいと思うから……!」
フレッドがいきり立つ。
まぁ、女性に対して真摯な態度で向き合おう、いい加減に扱わないようにしようって気持ちは評価するけど……。
でも、仕方なくってお前も思い始めるんだよ。きっとな。ヒロイン登場で、ヒロインに心惹かれていくにつれて。なぜ、足枷になる婚約者がいるんだと思い始め。
そうだ、胸を触ったから責任を取って婚約したんだとか、記憶の改ざんが、ヒロイン補正で行われるに決まってる。
怖い怖い。
「フレッド、落ち着け。フレッドの気持ちを言っているんじゃない。相手の気持ちを考えろって」
フレッドが少し落ち着きを取り戻した。
「会いたいのは僕の気持ち、彼女はむしろ、恥ずかしくて会いたくないと思っている……もしくは、僕のことを恨んでいる憎んでいる嫌ってい……」
泣くな!おい!フレッドォォォォ。
人に嫌われなれてないフレッドが、嫌われてる想像して涙目になってる。
マージがフレッドの肩をポンポンと叩く。
「ほ、ほら、その子が、その出来事を忘れたころなら、いいんじゃないか?成長すれば人の顔も変わってくるし、その……あれ?どこかで会ったっけ?って言うくらい時間がたてば……えーと……嫌われたりもしないかも?」
なんで、慰めてるんだろうかな。
「そうか。彼女が胸を触られたことを忘れたころに、その話題には触れずに自然と出会えばいいんだね?」
いや。彼女が忘れたころには、お前も忘れろ。
自然な出会いなんてない。なんせ、全部その彼女たる私が話を聞いてるんだからな。
フレッドォォォォォ(笑)




