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■転性悪役令嬢 ~男になって破滅フラグを回避したいだけなのに、Fクラスの下克上とか溺愛とか知りませんっ!~  作者: 富士とまと


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フレッドの忘れ物

「俺も数学得意だぜ?俺が教えてやるよ!」

 マージがにかっと笑う。

 しかし、なんか、みんな無言。

「な、どうしてだよっ、俺、1問間違えただけだよ?名前をちょっと書き忘れて……0点だったけど……」

 いや、点数の問題じゃなくて、たぶん……。

 教え方、下手そうじゃね?理路整然とってより、感情直球型っぽいじゃん、マージって。

「そうだ、明日学校休みじゃん、俺んちでテスト勉強しないか?」

 マージがいいこと思いついたとばかり手を叩く。

「へー、テスト勉強のために集まるのですか」

 フレッドが面白そうだと声を上げる。

「マージ君の家って……伯爵家のお屋敷でしょう?」

 庶民の子がびっくりして声を上げる。

「いいの?その、私たちみたいな人間が行っても……」

「なんで?いいに決まってんじゃん。っていうか、おふくろびっくりするぞ。友達いっぱい家に来てくれたら……泣いて喜ぶんじゃないかな!」

 マージの言葉に、庶民の子たちが顔を見合わせる。

 もちろん、貴族と言えども、国内2番目の力を持つ伯爵家にそうそう足を運べるものではない。

「リザークとフレッドもくてくれるだろ?あ、でも、お前たちは何か家の用事とかある?」

 ニコニコと笑うマージ。……お母さんを喜ばせられるのが嬉しいのかなぁ……。

「んじゃ、俺んち集合っていいたいけど、いつも学校始まる時間に校門集合でいいか?馬車は用意するから!あ、お昼ご飯の心配もしなくていいぞ!」

 まて、マージ!

 学校始まる時間って、普通、友達との勉強会って、もうちょっとゆっくりした時間から始めないか?

 しかも、お昼ご飯の心配って、何時間勉強会する気だよっ!学校通うのと変わらないくらいじゃないのか?


 教室で帰り支度をしていると、突然フレッドが叫んだ。

「あああーーーっ」

「どうした、フレッド!」

 マージが心配そうにフレッドの顔を覗き込む。

「しまった、すっかり忘れていた……」

 ん?深刻そうな顔に、何を忘れていたのか心配になる。

「せっかく全校生徒の顔が一度に見られる機会だったのに……彼女を探すのを忘れた……」

「彼女って、例の?」

 マージの言葉にフレッドが頷く。

 まさか……。

「お詫びをしたかったのに……」

 やっぱり、私かよっ!女体化した……というか、呪いが解けた悪役令嬢の私を探そうというのかよっ!

「忘れろ!とにかく、フレッド忘れろ!」

 両肩をつかんでぶんぶん振り回す。

「忘れられない」

 フレッドが首を振り、マージが私の肩を叩いた。

「忘れたくないんだろ?そっとしておいてやれよ」

 いや、そうはいくか。

「そっとしておいてやれってのは、二人の方だろう?相手の気持ちを考えてみろよっ」

 ぎっと二人を睨みつける。

「相手の気持ち?」

 フレッドが首をかしげた。

「む、胸を触られたんだぞ?女の子にとったら、それって、忘れたいことじゃないのか?忘れたいのに、相手の顔も見たくないのに、探し出して、あの時はごめんとか……」

 あっとフレッドが口をふさぐ。

「あの時と言われれば、当然嫌なことを思い出すだろう?せっかく忘れかけていたのに、思い出さされて、恨みたくなるだろう?」

 フレッドの顔が青ざめる。


いつもありがとうございます。


フレッドのあやまりたいのは自分の気持ち。ただの自己満足。相手のためじゃないのよ。

でも、あやまらなくちゃいけないことの方が世の中には圧倒的に多い。

だから、まずは謝る。1度は謝る。そこで許してもらえないからといって、怒っちゃ駄目。

謝るって難しい。

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