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■転性悪役令嬢 ~男になって破滅フラグを回避したいだけなのに、Fクラスの下克上とか溺愛とか知りませんっ!~  作者: 富士とまと


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あんな女になりた……

 審判が赤い旗を上げた。

 うわーい、負けちゃったよぉぉぉ。

 ごめん、ごめん。対戦場所は整地されてるだけに、まさか穴があるなんて思わなくって、穴に足を取られるとかっ。

 いっそ、全部が凸凹な地面ならこんなミスしないのに……。

「わははははっ、見てみろよやっぱりラッキーだけで決勝戦に進んだだけのことはある」

「1回も剣を振ることなく終わったぞ、面白いもん見せてもらったぞー」

「いや、でもラッキーが重なったって言っても、1年が決勝戦進出なんて前代未聞じゃないのか?」

「聖剣と呼ばれたアルフ様ですら、1年の時は準決勝で敗れたのではなくて?」

 まじ?ごめん、お兄様……。どうやら記録を塗り替えてしまったようです……。

「ああ、聞いた話では、2回戦3回戦と優勝候補の4年生と立て続けに1時間を超えるような熱戦を繰り広げ、準決勝では立っているのがやっとで、保険医が出場を止めようとしたのを振り切ったとかなんとか……」

 アルフお兄様かっこいいっ!うるうる。

「あー、その兄の1年にして準決勝進出という記録を……」

「出来損ないFクラスの八男が……」

 いや、そんな目で見ないでっ!

 なんか、めっちゃ「空気読め!」って目で見られてるよぉぉぉぉぉ。

「ラッキーだけで……」

 うぐぐぐっ。違うもん。ラッキーだけじゃなくて、少なくとも、3回戦は相手よりも実力あったもん。あ、そういう相手が対戦相手だったところがラッキーなのか……う、うん、そうか。

 優勝したクラスの生徒たちがわーっとかけてきた。そして、優勝者を胴上げだ。

「やったぞ、これで、俺たち、学年順位が1つ上がる!優勝加点の1000点!やった!」

 へぇ?

 なんですとぉ?

 優勝、加点?

 そんなのがあったんかーっ!

 あああああっ。1000点って、すごくない?すごいよね?あああ、チャンスだったんじゃないのぉぉぉぉ。

 少し遅れて、Fクラスの生徒が私の周りに駆け寄ってきた。

「やったね、リザークっ!」

 フレッドが先頭。あ、いや、押しのけてマージが来た。と思ったらマージの後ろからサーシャが姿を現す。

 がつっと力いっぱい抱きしめられる。

「準優勝ですわね!やりましたわリザーク!さすがですわ!ブランカにも勝ってしまうんて!」

 右側から今度はサーシャごとガツッとマージに抱きしめられた。

「リザーク、最後はちとあれだったが、よくやったな!」

 はい。最期はあれでした……。

 左側からはフレッドだ。ぎゅぅーっと。

「リザーク、おめでとう、準優勝、おめでとうっ!」

 さらにその周りに生徒が固まっていく。

 いや、団子の中心、苦しいっ。

「はっ。ラッキーだと?いかさまじゃないのか?」

「ああ、ブランカにいくら金を積んだんだ?」

 喜び合っているFクラスの生徒に暴言を浴びせる者が現れた。

 そこに立っていたのは、1Aの生徒だ。

「私が、金で剣を汚すような人間だと言いたいのか?」

 1Aの生徒の後ろに、ブランカが立っていた。

「う、ひぃー、すいませんでしたっ」

「ブランカ様が負けるとは思っていなかったので……」

 逃げていった。1Aの生徒たちを、仕方がないなぁという顔でブランカが見ている。

「あ、ありがとうございますっ」

 ブランカにぺこりと頭を下げる。

「いや。次に対戦する時を楽しみにしているよ」

 さっと手を上げて去っていくブランカ。うっひー。まじかっこいいっす。あんな女性になりたい。いや、女性にはなりたくない。

 死ぬの怖い。



いつもありがとう。

ところで、今更ですが、今回、サブタイトルに遊びを入れてます。

うーん、考えるの時間かかってめんどくさいから、数字にしちゃうことも多いんだけど……

というわけで、サブタイトルもお楽しみいただけると、喜びます。

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