非注目度ナンバーワン
「注目は、第4対戦場所の第一試合だろう。4Bと4Dの対戦だろう?事実上の準決勝だぞ」
「1回戦でどちらかが消えるのは勿体ないね」
「いやいや、第3対戦会場の第二試合も見ものだぞ。3Eの女子、すげぇかわいいらしいよ」
「って、お前は何を期待して対戦見る気だよっ!」
「汗で張り付く乱れた髪の毛とか、こういう時に見なくていつ見るんだよ」
「もう、男の子って最低!やっぱりヒューマ様が出場する第1会場を見るべきですわ!」
「ヒューマさま、何試合目でしたでしょうか?」
「おい、みんな常勝ブランカの試合は見ないのかよ?」
「だって、1回戦なんて見ても仕方がないじゃない?相手1年でしょ?」
聞こえてくる声を総合すると。
私の試合、注目されてない。これっぽっちも。ちょうどいい。
目立たずに済む。
「1年っていっても、ボンパーナ公爵家の八男だぞ?」
「知ってるから言ってるんじゃない。末っ子八男味噌っかすっていう例の1年でしょう?」
「うん、まぁ、そうだな。兄たちは優秀なうえに、何かしら秀でたものがあったのに、……Fクラスだもんな……見ても仕方がないか」
はーい。ちょっと失敗しました。
やっぱりFクラスだと、家名にちょっとだけ傷がつくみたいです。ごめんよ、お父様お母様。Fクラスだけど、クラスの学年順位は上がるようにがんばるから……。卒業までには4位くらいになれるといいな。うん。
さ、どちらにしても、注目されなくて、相手のビ……じゃない、ブランカさんがやる気を失ってくれるといいな。でも、弱い相手でも手を抜かないとか言ってたしなぁ。
「では、第一試合の選手は位置について」
2mほどの距離を置いてブランカさんと向き合う。
うわー。14歳の女子をなめてた。
そういえば、女子の成長期って男子より早くて、14歳くらいだともう大人と身長変わらない子もいるんだよね。170くらいありそう。
女子にしては背が高い。それに、手足、太い。
アスリートだと服の上からも分かる。決して太っている太さじゃない。
ってことは、パワータイプなの?それともパワーもスピードも兼ね備えてる?
「降参するか?」
ブランカが口を開く。
「言っている意味がわかりません。まだ試合も始まっていないのに」
「剣をそこに置いてコートの外に出ればいい」
首を横に振る。
「ふっ。親切で言ってやってるのに」
「親切?馬鹿にしてるんじゃないんですか?」
つい、つっかかるような言葉を口にしてしまった。
「悪いが、私は手加減という者ができない。相手が1年だろうが、剣の初心者だろうが……怪我をしたくなければ、試合に顔を出さないのが一番安全だ」
なんだ。本当に親切で言っていたのか。
「僕、1回戦勝ちたいから、逃げないよ」
試合開始の合図がなる。
木刀を相手に向けて構える。
「ふん、構えだけはいっちょ前だな」
ブランカが口を開く。
けれど、それにこたえる余裕はなかった。神経を研ぎ澄ませ、攻撃に備える。
「怪我をしてもいいと言うのなら遠慮なくいかせてもらう」
と、ブランカが動いた。
あ、れ?
見てない隙に……




