もうすぐ出番だよ
あれは痛そうだ。だけれど、包帯を巻いた手で剣を振る姿は美しさにかけると、痛いのを我慢して剣を握っていたのだろう。
フレッドが悔しそうに奥歯を強くかみしめる。
ああ、黒い煙が。フレッドの口から漏れた言葉が耳に届く。
「腐ってる……絶対に、許さない」
へ?
いや、今は何もオタクっぽい腐ったこと考えてないですよっ。許さないって、ひぃ、誰をですか!
私じゃないよね?
っていうか、第二王子(発狂死)に許さないなんて言わせるなんて、死にますよ!今すぐ逃げたほうがいいですよ、誰かわかりませんが……。
「皆さん頑張りましたよ!」 ソフィア先生がパンパンと両手を打ち鳴らした。
「3種目までが終わり、1年生は、Sクラスが18点で1位、2位は16点でAクラス。3位が13点のBクラスで、4位が12点のCクラス」
なんだか気が付けば、上のクラスから順に1位2位3位4位になってる。
「それから、5位は11点の我がFクラスです。なんと、Dクラスとは4点差、Eクラスとは6点も差がついてます!」
ソフィア先生が、型の選手たちの落ち込んだ気持ちを回復させようと、務めて明るい声を出した。
「つまり、最後の種目で、Eクラスが1回戦を勝たない限り、最下位脱出は難しいでしょう」
クラスメイトの顔が明るくなった。
Eクラスに勝ったも同然ということを告げられたのだ。
「だけど、Eクラスが1回戦を勝ったらどうなるんだ?」
おい、マージ、水をさすなぁ!
一気に、せっかく盛り上がったクラスメイトが沈む。
「ぼ、僕も1回戦に勝てば、Eクラスに負けることはないよっ」
にこっとほほ笑んだ。
そのとたん、クラスメイトの顔はが心配そうな表情になる。
「リザーク、無理はするなよ」
「そうよ。例えリザークが負けたって、リザークが頑張ってくれたの、知ってるからね?」
「そうですわ。相手は4Cのブランカだったんですもの」
戦う前から、負けた想定で慰めモードだ。
それも、全力で。
うん、マージは名前の書き忘れとトイレでクラス分けテスト最下位だったし、フレッドは難しい問題から挑戦して時間切れの下から3番目だとみんな知ってる。
で、僕はといえば……。全力で下から2番目。つまり圧倒的にクラスで最下位だと思われてるからだよね……。
1回戦勝てるように頑張るけど……。謎のマスク男を思い出す。そして、成果が出なかった兄たちとの特訓を思い出す。
「……勝てなかったらごめんね……」
兄たちは、対戦相手のビアンカ……じゃないや、ブランカは弱いと言っていた。
だから、勝てると思うんだけど……ただの兄の欲目の可能性もあるし、勝負に絶対はない。
「大丈夫だから、気にするな」
「そうだよ、相手は常勝ブランカだよ」
じょーしょー?上昇?ジャンプして剣を除けたりするのかな?
「それより、無理しないで、ブランカは相手が弱くても降参しない限り全力で向かってくるから」
相手が弱くても全力で?それは試合だし、弱いと侮って力を抜くなんて油断する人のが駄目じゃないのかな?
「勝てないと思ったら、降参すればいいから」
降参?そういえば、なんか降参するときのポーズをフレッドに教えてもらったような気が?なんだったっけ?忘れちゃった。
いつもありがとう。
名前覚えられないとか、お前は璃々亜か!って思った人、素直に手を上げて
(=゜ω゜)ノ




