呪いでもかかってるんじゃない? ギクリ
3人目までが終わった。2組目はSクラスがとびぬけてた。3組目はDクラスとEクラスが比較的うまかった。
で、4組目。サーシャの登場。そういやぁ、サーシャの剣を振るの見るの初めてかも。
先生が高得点を期待できると言っていた、サーシャの剣の型。
「ふわっ」
息を飲む。
何の迷いもない綺麗な剣。
どれだけ鍛えれば、それだけぴたりと剣を止められるのだろうか。
どれだけ剣を振り続ければ、全く同じ軌道を一部の狂いもなく往復できるのだろうか。
いったい、どれくらいの時間を剣に費やしてきたのか……。
一切の無駄がない、とても綺麗な剣の動き。
明らかに、他の6人とはレベルが全く違う。
いや、ここまで剣を振っていた他の誰よりも美しい。
演技時間があっという間に感じた。
もっと、見ていたい。
……今度見せてもらおう。
なんだろう、剣の型を見ただけなのに、剣舞を見たような満足感がある。
みんなもそうだろうと思ったら……。
「サーシャうまかったよな?」
「うん、他の子よりうまいと思った」
って……。軽いな。
って、3年4年の生徒たちの顔を見ると、サーシャの剣の美しさに目を奪われてシーンとしている人もいれば、そうじゃない人間もいっぱいいる。
……あ、これ、もしかして、剣をある程度やってないとそのすごさがわかんないあれ?
「かわいそうだな、サーシャ……」
マージがぼそりとつぶやく。
は?
「かわいそうってなんだよ?」
「体力がないのがかわいそうだ……もっと体力があれば、騎士に間違いなくなれるだろう……サーシャも、騎士になりたくて努力を重ねているんじゃないのか?」
そうだ。努力を重ねたすごい剣だ。
「体力は……今は足りないかもしれないけど、鍛えれば……」
と、口にしてみたものの。
女の体と男の体で超えられない壁みたいなのを実感している身としては……。
マージがちょっぴり寂しそうな顔をする。
「きっと、サーシャは鍛えてるぜ。でも、どれだけ鍛えても、あれなんだろう……」
そうだよね。鍛えてないはずがない。
「鍛えても体力つかねぇとか、まるで呪いだな」
の、呪い?
びくりと体が震える。
「いっそ、誰かに呪われてるなら、呪いを解けば解決するのになぁ……」
ふぅーっと、マージがため息をつく。
「あ、はは、やだなぁ、マージ、呪いなんて、本当にあると、思ってるの?」
呪術師は普通にいるかというと、国内でも数名。そして実際に呪いをかけることはよほどのことがない。つまり、世間一般ではおとぎ話のような扱いだよね?あ、でもマージは辺境伯だし、呪術師とのつながりもあったりするのかな……。
「あるわけねーだろ?呪いで人が弱くなるなら、戦争なんて必要ねぇじゃん。相手の国に呪いかけて弱くじちゃえばいいんだからさ!」
「あ、はは、本当だ、そうだね」
いや。呪術師少ないし、1回呪いかけるだけですごく大変で、国単位で呪いをかけるなんて無理なんだよ……ってことくらい、考えたら分かるよね。
……ちなみに、王族は呪術返してきな呪いをかけてもらっていたりするから、暗殺とかそれ系の呪いをかけようと思ってもはじかれるそうな……。
フレッドなら知ってるよなぁ。
「点数が発表されるよ!」
Sクラスは、5点4点3点4点5点。
「お、あのレベルでそんないい点数がでるなら、サーシャは満点かもしれないぞ?」
マージが嬉しそうな声を上げる。
「あのレベル?Sクラスの見てなかった」
サーシャの剣に目を奪われ、他の人がどんな感じだったのか見てなかった。
Dクラス、3点2点3点2点3点。Eクラス、4点3点3点4点3点。
「出ろ、満点!」
マージが両手を組んで、祈るような恰好をする。
いつもありがとうございます。
(*'ω'*)




