死闘みたいよ?
ある程度運び終わったら、またレンガ割り再開。
なるほど。
ワンクールレンガ割り10回、それをこなしたらレンガの追加時間に、打撃班の子は休憩を繰り返すわけだ。
うん、ペースを守るのはいいことだよね。
で、他のクラスは……というと。
バケツの水に手を浸して冷やしている人がいるね。肩にぬれタオルを当てている子もいる。
すでに、補給班の人たちはレンガも並べ終わり、やることはやったと見守っているだけの人も多い。
打撃班の子が、並べられたレンガの移動しながら割っていく。
確かに、うちのようにレンガを運んでいる間打撃班が何もできない時間があると無駄のように見えるかもしれないけど……。土台がある場所で、足場を定めて狙いをつけて同じように打つ方がね、圧倒的に……安定感がある。
打ち損じが少なくて済むから、手に響く負担も軽くなる。
「すごいね、ねぇ、フレッド。うちのクラスすごいね」
テンポよくレンガを割っていく打撃班。打撃班もすごいけど、補給班もすごいよ。
3つのレンガを重ねて土台の上に崩れないように素早く乗せるのだって、相当訓練が必要だったはずだ。
割れたレンガを瞬時に取り除くのだって、大変だと思う。
マージたちほどのスピードはないけれど、他の子たちも、それぞれの打撃班の子のペースに合わせてレンガを積んでいる。
競技時間の半分が過ぎたころに、差ははっきりとしてきた。
他のクラスの子たちのほとんどが、休んでいる。
手の痛み、しびれが限界なのだろう。休んでいるのではなく、リタイアしたのかもしれない。
「なんで、F組のやつらはあんな平然としてレンガ割りを続けられるんだ?」
「馬鹿だが体力だけはあるってことなんじゃねーの」
「ああ、言えてるかもなぁ。ここで勝たないと、他の種目じゃどう考えても勝てないから、全力投球?」
「それでも、あと5分も耐えられるかな」
「応援してやれば?がんばれー出来損ない力馬鹿ども~とか?」
「ははは」
それから5分たってもペースがまるっきり落ちないFクラスに、ヤジは減った。
「そういやぁ、10回ごとに小休憩入れてたけど、それがよかったんじゃないのか?」
「限界が来る前に休憩して回復を早めたってことか?」
「それに、割る人間がレンガの積んである場所に移動して割るよりも、ああして同じ場所で割るようにしたら、足腰を安定させて振り下ろすことができるんじゃないか?」
「確かに、早く割ろうとするあまり、移動して足元が定まらないうちに木刀を振り下ろしている生徒は多いな」
「しっかり足を地面につけて腰を落として力を木刀に乗せる……か。その基本が、移動しながらよりもよくできるのか……」
「それに気が付いて、徹底的に補給班の方を鍛えてきたか」
「少しFクラスを侮りすぎなんじゃないのか?」
「1S、まさかFに負けるんじゃないだろうな!手の痛みがなんだ、プライドを見せろ!」
「1A、お前らそんなんじゃいつまでもSを抜けないぞ!いつまで休んでるんだ、割れっ!」
「Fクラスに負けるなんて、そんな恥ずかしいことするなよっ」
うわーっと、声が上がり始める。
Fクラスを馬鹿にして笑っている場合ではないと気が付いたのか。自クラスの応援……というか激というか、なんか脅しに入った。いやいや、頑張れそうな言葉かけたげようよ。楽しい楽しい運動会が台無しです。
え?運動会じゃなかったっけ?
最期の10分ほどは、まさに死闘が繰り広げられていた。……主に、F以外のクラスだけどね。
かわいそうに。木刀をタオルで手に固定してまでレンガを割ろうと必死な子。
力いっぱいレンガに木刀をたたきつけるけれど、もう力が残っていなくてまったく割れない子。
さぁ、Fクラスだと馬鹿にしていた人たちは見るがいい!
……うん、まぁ、あれだ。次回、マージが見せる!えへ。
好きなシーンです。漫画的画面を想像すると震える。




