打撃班、出動!餅をつけ!あ、ちがった。
次の協議は3年生の団体戦。それから2年生の補給班。
そしてやってきました1年生の打撃戦。レンガ割り競争です。
「がんばれ!」
うー、自分の出番じゃないのにドキドキする。
声をかけるとマージがニカッと笑う。
「任せとけ!俺がいるんだ、1位間違いなしだぜ!」
おう、いつもの自信だ。
「おっと、違った。俺と、お前らがいるからな!」
と、マージは両隣を歩いていた補給班の子の肩に腕を回した。
補給班の子が嬉しそうな恥ずかしそうな顔をして頷いた。
「うん、頑張ろうねマージ君。いってくるね」
と、私たちに小さく手を振って競技場に出ていく。
「すごいな、マージは。自信家なだけじゃない。ちゃんと周りの人間の力も認めて頼ることもできるんだ」
フレッドがつぶやく。
そう言うと、マージが立派な人みたいな気がする。ただの大食いじゃないみたいだ。
7クラスがレンガの山の前にスタンバイする。
木刀を持っているのは各クラス代表5人。10人の補給班がどのクラスも手助けをするようだ。
タオルや飲み物など、いろいろな品を準備しているクラスもある。うちのクラスの補給班は……何も準備してません。大丈夫か?!
「おいおい、Fクラス勝負捨ててるのかよ。何にも準備してないぜ?」
「制限時間30分あるって知ってんのか?」
「いや、30分しかないと思ってなめてるんじゃないか?」
「あー、練習もしてなきゃ、たった30分とか思うかもしれないな」
と、好き勝手なことを言われる。
練習してるよっ。一昨日からは練習用のレンガの使用も復活したし……実は練習用レンガがない間、こっそり練習に使ってとクラスメイトの何人かがレンガをカバンの中に入れて持ってきたりして……とか……。……重たいカバンかけて教室までか弱い女子がな。
「用意、スタート!」
合図で他のクラスの補給班がタオルを木刀に巻き付ける。
うおー、衝撃を少しでも和らげようという作戦かっ!
別のクラスの補給班は、金属のわっかみたいなのを木刀の先に取り付けた。
なんじゃそりゃっ。重みでちょっとした金づちみたいになるじゃん。ずるくね?
その間に、別の補給班の子たちは割りやすいように山からレンガを下ろして3つ4つずつ積んでいく。
んで、うちのクラスは……というと。
土台になるレンガはすでに設置済み、その上に右側の補給班の子がレンガを3つ積む。
マージが木刀を振り下ろす。
左側の補給班の子が割れたレンガを取り除く。
右側の子がレンガを置く。
マージが振り下ろす。
左側が取り除く。
右側が置く。
マージが振り下ろす。
……す、すげぇ!なんという連携プレー!
なんていうの?高速餅つきを思い出す。
「なんだ?よくあんなペースで割れるな」
「そろそろ限界なんじゃないか?」
「だよなぁ。手がしびれて木刀持つのもつらくなるぞ」
ひそひそと別のクラスからささやかれる。
マージ以外の打撃班の子たちも、ややスピードは落ちるものの補給班の子と息を合わせて割っている。
で、10回ほど割って、マージが手を止めた。
タオルを手に取る。
「もう限界みたいだぜ?」
「今頃タオルを木刀に巻く気か?」
「はじめだけだな、勢いがいいのは」
くすくすと笑い声がもれてきた。
マージがタオルで手や額の汗を拭いている間に、補給班の子がレンガの山から、手に取りやすい場所にレンガを運んでいる。




