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■転性悪役令嬢 ~男になって破滅フラグを回避したいだけなのに、Fクラスの下克上とか溺愛とか知りませんっ!~  作者: 富士とまと


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剣術大会当日がやってきたよ。ちょっとワクワク

 ちょっとした運動会だ!

 制服姿に、クラスを現すリボンやタイと同じ色のハチマキやらスカーフやらをおそろいで身に着けているクラスもある。

 ……まじ、運動会みたい。

 4年生になるとSクラスは騎士が身に着けるようなおそろいのクラスカラーのマントを羽織っている。

「かっこいいなぁ」

 マージがうらやましそうに見てる。

「いいですわねぇ。騎士みたいで……」

 サーシャもうらやましそうに見ていた。

 2年生も3年生も4年生も、DクラスやEクラスやFクラスになるとクラスカラーを現すものを身につけたりはしていない。誇れるような色ではないということだろうか。

「こんなものしか用意できませんでしたが……あの、つけたくないならば、無理にとは……」

 ソフィア先生が、クラスカラーの細長い布を持っていた袋から出した。

 わざわざ、最下位クラスですと主張するような色を目立つように身に着ける。

「サンキュー先生」

 マージがソフィア先生から布を受け取った。

「ふふっ。これなら遠くにいる人にもFクラスの活躍が分かりやすいですわね」

 サーシャが続いて受け取る。

 それを見て、皆も手を伸ばし始めた。

「駄目だ、先生!」

 そして、一番初めに布を受け取ったマージが大声を出した。

 受け取ったり、駄目だと言い出したり、いったいなんなんだ、チミ。

「これ、とどかねぇ……」

 頭に巻こうとして布の端をもって頭の後ろに回している。

「マージ、頭でかいんじゃない?ほら、見せてみろよ」

 と、マージの後ろに回る。

 結べないというレベルじゃなくて、届くか届かないかレベル……。

「わ、私も頭がでかいのでしょうか……」

 二番目に受け取ったサーシャが涙目になっている。

 えーっと。

「あれ?そんな、おかしいですか?頭周りを測ってその長さでそろえて切ったんですけど……っ」

 ソフィア先生がワタワタし始めた。

 ……頭周りの長さに、結ぶ長さを足し忘れたんですか……。

 ふぅっと小さくため息をつく。

「ご、ごめんなさい、えっと……」

「ま、これでいいんじゃね?腕章みたいでかっこいいじゃん。なんかの役員みたいだ」

 マージの持つ布を受け取り、頭はあきらめて腕に巻いてやった。腕の動きを阻害しないために緩めに結び、落っこちないように腕にあるボタンに端を結びつける。

「おう、これもなかなかいいな」

 マージが嬉しそうな顔を見せた。それをみて、近くのクラスメイトどうし、腕に布を結び始めた。

「リザーク」

 私の腕には……。

 右側にマージ、左側にサーシャが巻こうとしてる。

 二人がそれに気が付いてにらみ合っている。いや、にらみ合ってるんじゃなくて、譲り合ってる?

「サーシャ、頼んでもいい?」

 と、左腕をサーシャに差し出した。

「わ、私でよろしいの?」

「なんだよ、リザーク、俺が巻いてやるって言うのにっ」

 と、マージが不満げだ。知るかよ。

「みんな左腕だし、それに……マージが結ぶと思いっきり結んで血管止まりそうで怖い」

「ぷっ。確かに」

 フレッドが笑った。

「なんだよっ、そんなことねぇよ。フレッド、結んでやるよっ」

「あははは、フレッド諦めて腕を差し出したら?」

「はははは」

 和気あいあいと布を巻きあっていると、隣から強い視線を感じる。

「Fは余裕だな。緊張感がまるでない」

「どうせ、すべてをあきらめているだけだろう」

「ああ、それもそうか。どう頑張ったってどうにもならないもんな」

 Eクラスからだ。

 緊張した顔が並んでいる。


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