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■転性悪役令嬢 ~男になって破滅フラグを回避したいだけなのに、Fクラスの下克上とか溺愛とか知りませんっ!~  作者: 富士とまと


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忘れろ、忘れろ、わーすーれーろぉーーーっ!

「ちょっと、相談があるんだ……」

 学校へ着くやいなや、私とマージはフレッドに手を引かれ、人気のない空き教室に連れていかれた。

「なんだよ、こんなこそこそしなくちゃだめなことか?」

 マージは何でも正々堂々したいタイプだろうなぁ。だけど、仮にも王子なんだから、庶民に聞かれちゃまずい話もあるんだろう?

「どうしたらいいのか、分からなくて……その……」

 フレッドが言いにくそうに言葉を探す。

「なんだよ?」

 フレッドが、意を決したように、両手で顔を覆った。

「女性の胸を触ってしまったっ」

 ふーん。

「ま、ま、マジかよっ、お前、す、す、す、進みすぎじゃね?」

 は?

 え?

 おわっ、これ、Y談?

 いやいや、いやいや、マジかぁ~!

「ち、ち、違うんだ、触ろうと思ったわけじゃなくて、その、倒れた拍子に、その……」

「えええええーーーーっ!」

 ちょっと待て、それって、それって、昨日の帰りの話か?

「なんだよ、偶然かよ。ちゃんと謝ったんだろう?わざとじゃないって」

 フレッドが小さく首を横に振った。

「わ、わざとじゃなかったけれど、やっぱり、責任を取ったほうがいいんだろうか……」

 はぁ?

「何馬鹿なこと言ってるんだよっ」

 責任とって結婚しようなんて言い出すんじゃないだろうなぁ!

 せっかく悪役令嬢回避ルート取ってんのに、どうして、八男になったボクと婚約ルートに乗っちゃうわけ?やめてぇ!

「フレッドは王子なんだから、女の胸なんて触り放題、もみ放題で構わないんだよっ、妾愛人当たり前が王侯貴族の男ってもんだろ?」

 ……二人に白い眼を向けられた。

「リザーク、お前女みたいな顔して怖いこと言うなよ。そんなことしたら……」

 マージが震えだした。

「おふくろにおやじはどんな目にあわされるか……。まぁ、二人はラブラブだから浮気なんてないけどな」

 うん。うちの両親もラブラブですよ。

「そうですね。世継ぎが生まれなければ致し方ないかもしれませんが……生涯ただ一人を愛するべきですね」

 第二王子フレッド君、どの口でそんなこと言うのか。

 私と言う婚約者がありながら、攻略対象であるヒロインにぞっこん惚れて、一時は二股状態……。

「そうだろ?そうだろ?やっぱり、一人を愛し続けるのが理想だよな、うん、だから、いつか出会う愛する人のために、いちいち事故で責任とる必要なんてないんだよっ。もう忘れちゃえ」

 きっぱり、昨日のことは忘れるのです。

 呪いが解けた私の姿は記憶のかなたに葬りさるのです。

 フレッドの顔が赤くなる。

「わ、忘れられるわけないだろうっ」

 フレッド、だから、思い出すなって!

「まぁなぁ。初めて触った胸だもんなぁ」

 マージがうんうんと頷いてる。

「初めて触ったのは、みんな母親だろ!」

 二人が白い目で私を見た。

 なんだよ、正論だろ?

「お前、幼稚だな」

 はぁ?マージ、お前に言われる筋合いはないっ。っていうか、こう見えても、前世34歳たす現世11歳で、精神年齢45歳やぞ!あ、まって、前世では精神年齢永遠の10歳とか言われてたわ。……もしや、こっちでも精神年齢永遠の10歳で成長してないとか?

 あー、あー、オタクの精神成長しねぇ!

「忘れられない……どうしても、彼女のあの長くて美しい金の髪も、澄み切った深い紺色の瞳も……」

 ひぃーっ、しっかり顔覚えられてるっ!

 よくあんな短い時間で目の色まで覚えてたなっ!

 やばい、まじ、さっさと忘れてくれ。

「フレッド、お前、まさか……」


いつもありがとう。


フレッド、お前……(´・ω・`)わかりやすい男だな。

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