父母に見られたり、兄1VS兄4を見たり
「次、お願いしますっ!」
兄の早い剣。剣道と違い、もっと自由な軌道。竹刀よりも重たい木刀。
「はっ」
ガツンと響く衝撃に、木刀を取り落とす。
「まだです……」
男の体なら、これくらいで木刀をはじかれたりしないのになんて思わない。今のは私の剣さばきが未熟だから。
力を上手に流せなかった。まともに食らった。これじゃぁ駄目だ。
ふぅと、息を吐きだし、もう一度挑戦。
はー、はー、ぜーぜー。
どれくらい続けただろうか……、全然駄目でした。難しい。めっちゃ難しい。
「今日はこれくらいにしておこうか」
兄1が、地面に倒れ込んだ私に声をかける。
うん、そろそろ限界です。
「え?」
背後で声が上がる。
「俺、俺の番は?」
……。兄4……そういえば、ずっと近くで素振りしてましたね。
まさか、自分のトレーニングしてたんじゃなくて、私と稽古をする順番待ちをしていたのですか……。
「リザはもう無理だろう?私が相手をしよう」
と、兄1が兄4に笑いかける。
「えー、リザと一緒がいいのにな。しゃーない。兄貴、今日こそ負けないぞ!」
と、二人が打ち合いを始めました。
「お疲れ様さま。リザ。紅茶でも飲みましょう」
おっと、お母様ずっと見てたのですか。お父様も、手が止まってます。書類、うん、全然進んでないですね。
「ありがとうございます」
紅茶を飲みながら、母が話しかける。
「家の名誉のためとか、代表に選ばれたからと気負わなくてもいいんですよ」
小さな優しい声。
「はい」
本当は、1回戦負けたくらいで、フレッドは発狂させるくらい私を恨むようなことはしないってわかっている。
だけれど……。
「やれるだけのことはしたいんです」
クラスが一体となってやる気を出しているのに……。どうせ負けるんだし。頑張っても仕方がないなんていう気持ちでいたら、フレッドは私という人間を見限るだろう。
……ん?
見限られて、何が問題?……あ、うん、何か問題があったときに、私を信用できなければ、私に疑いの目を向けるよな。私が何かしなくても、嵌められることは大いに考えられる。ってか、そんなこと考えたくないけど、あわわわ。とりあえず、信頼を得なければならない。
見限られるようなことしちゃだめだ……。
関わってしまったからには……。むしろ、誰に何を疑われても「リザークがそんなことするわけないっ!」と言ってかばってもらえるだけの仲になれるといい。
……死亡フラグ怖い……。涙。
兄1と兄4の打ち合い見る。
兄1は兄4の剣をうまく避けながら、攻撃を仕掛けていくスタイル。
まぁ、兄4の剣筋は結構単調なので避けるのは割と楽ではある。だけれど、兄1のように技とスピードがないと、ただ避けるだけになってしまう。反撃できない。
逆に兄4は、兄の攻撃を受け止め、はじき返したところに攻撃を仕掛ける。
パワーで押されると、さすがに兄1も一瞬動きが鈍るので、そこを見逃さない。これまた、兄4ほどパワーがないとできない戦い方だ。
うーむ。
うーむ?
むむ?




