九九
ひっ算の式に直して、それから、……。
「ちょ、リザーク、今何をしたの?」
「まて、リザーク、早すぎるだろ」
「リザーク俺にもやり方教えろ!」
ん?
「リザーク君、縦に並べるまでは、分かりますし、書き出したものを最後に足すのも分かりますが、その前の、掛け算の計算が、瞬時に書かれているように見えるのですが……」
瞬時って大げさだな。ちょっとだけタイムラグあるよ。ごごにじゅうごとか頭の中で反芻してるもん。
しろくにじゅうし、さんぱごじゅうろく。
ちょ、近いよ、近い、お前ら。
私の手元に、顔寄せ過ぎ。
フレッド、サーシャ、マージ、お前ら、計算するのに邪魔!
さらに、モンブフト先生、何しに来た!
授業しに来たんじゃないのか!計算の邪魔しに来たのか!
「あー、わかったよ!100マス計算の次は、掛け算のための九九の練習っ!九九をやろう、九九!」
うぎーとなって立ち上がる。
「おう!やろうやろう!」
マージも立ち上がった。
「そうですね。またすぐに数学のテストもありますし」
フレッドも立ち上がる。
「楽しみですわ、九九」
サーシャも立ち上がる。
モンブフト先生がワーッと両手を上げた。
「大賛成!九九をやりましょう!九九!」
……目がきらきらです。
「で、その前に100マス計算って何ですか?」
知るか!
いや、知りたきゃ誰かに聞けっ!
その前に。
掛け算の基本を知っている子と、掛け算の基本を知らない子がいるため、先生には掛け算の基本を生徒に教えてもらうことにする。
……3のあつまりが2つあります。つまり、3と3ですから、3足す3で答えが出ます。
3のあつまりが4つある、つまり、3と3と3と3です。こういった時に3×4と書きます。こたえは3足す3足す3足す3です。
……うん、そうだよね。まちがってない。
3が12のあつまりあると、3足す3足す3足す3足す3足す3足す3足す3足す3足す……。
うるさーいっ!もうっ。間違ってないけど、掛け算とは?がわかれば3じゃなくてもいいじゃない。
「えー、じゃぁ、掛け算って、足し算をいっぱいやるってことか……!」
って言葉が出てきても間違いじゃないんだけど。
「めんどくさいけど、それならできそう!計算早くなったし!」
はーい。そうですが……。
「でもやっぱり、20回も30回も足すの大変だよなぁ……」
という皆さんに、今回お勧めしたいのは、こちら!
九九です。
何度も何度も繰り返し足し算をしてめんどくさい。
何回足したか分からなくなって初めからやり直さないといけない。
書く場所が足りなくて困った。
そんな経験ありませんか?
今日から、そんなお悩みにさようなら!この、九九さえあれば……。
……う、あかん。ちょっと私、疲れてるのかな。うん。なんかモンブフト先生の圧がすごくて。怖いんだけど。
てなわけで、1の段、2の段、3の段まで反復練習です。