れっつだーんすだーんす
よし。私もダンス頑張るぞっ!
伊達に、毎日のようにダンスの特訓を受けてるわけじゃないよっ!見せてやる。華麗なダンスのステップ!
「……」
教えてくれたのは、お母様だけだよっ!
やべぇ。女子のステップ踏んじゃう。
わかんない。男パート、いや、なんとなくは分かるんだけど、実際踊ったことがなくて、体が動かない……。
ご、ごめんよ、皆……。役立たずだよ。とほほ。
「なんだよ、リザーク、全然踊れねぇのか?」
マージが勝ち誇ったような顔を向ける。
「そういうマージは、どれくらい踊れるんだよっ。僕の目は厳しいよ?兄たちのダンスの相手をしているんだからっ!」
「は?」
しまった……。
うっかり口が滑った。
いや、でも、嘘じゃないんだよ。お母様の特訓の末、女子パートは完璧なのだ。
で、兄たちが入れ替わり立ち代わり私と踊りたがるのです。……溺愛されてるからね……。うん。
ってなわけで、兄たち、絶対に男性パートを私に教えてくれないんだもんな。
くそっ。今日からは兄に女性パート躍らせて、男性パートを練習させてもらう。絶対にっ!
「なんだよ、リザーク、お前……兄貴たちの練習台で女役やらされてるのか?」
マージが可哀そうな子を見る目を向けてくる。
「そうだよっ。ボクが一番女の子みたいだからな!」
っていうか、実際夜は、女の子だからね!
あ、マージがすごく同情の目を向けてる。
同情するなら踊れっ!
「ほら、マージ、見てやるよ。どれくらい踊れるか」
と、マージに手を差し出す。
「お、おう……」
二曲目の歌が始まる。
音が鳴ると自然に体が動くのか、マージは戸惑っていたけど私の手を取った。
うっわー。平凡顔モブのくせに、なかなかダンス美味いじゃないか。
とはいえ、まだまだ粗削り。優雅さに欠ける。うん、兄4筋肉みたいな力任せのステップだ。が、その分ダイナミックで、見ごたえはあるだろう。
女性パートも、こう、より大きく見える動きをするとより美しさがきわだ……。
ほら、こうすれば見栄えがするはず!ふふふ、マージがつられてよりダイナミックな動きをし始めた。
大丈夫、答えられますよ私!だって、兄4の相手も完ぺきにでるからね!
って、ちがーう、なんで男の今、女役で本気でダンスしなくちゃいけないんだよっ。
慌ててマージの手を離すと、話した手が別の手につながれた。
「次は私と踊っていただけますか」
銀髪さらり。イケメン王子の登場だ。
待て、待て、待て待て、どうしてだよっ。
「フレッド、女子と踊ればいいだろう?」
フレッドが困った顔を見せる。
ご覧いただきありがとうございます!
感想(ありがとうございます!!!時々ぶはっと吹き出しちゃうくらい面白いのが混じっているので閲覧注意なのですが、めちゃ楽しみにしてます)
ブクマ(なろうの機能使ったあれ。上部ぽちり。目次でぽちりするとブクマ、開いたページでぽちりするとしおりが挟まれるようです)
レビュー(レビューの方が、本編より文章が洗練せれているのでありがたい~感謝しかない~)
評価(最新話だけに現れるレアもの。下の方にあるあれですね。完結前の取りあえず評価の3,3とかもうれしい~)
どれも励みになります。本当にありがとうございます(*´▽`*)
今日が皆さんにとっていい日でありますように!
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リザーク「……マージは、美味しい物食べられればいい日だよな……」
フレッド「僕は天使に会えれば最高の日になる」
……毎日会ってんだよ!学校が休みの日にも、なんか特訓とかしてるし……本当に毎日会ってるんだよっ!