誤解!
「おまえ、ショックで脳みそ行っちゃったのか?」
心配そうにフレッドの顔を覗き込む。
「ふふふ、大丈夫。僕は最高に幸せ者だ。あ、また後であの部屋に集合な!」
あの部屋って……リザベーナの話をしたいってことだよなぁ。っていうか、なんだよ、天使って。
あ、あれかな……。なんか、吊り橋効果。
危険を助けてもらうと好きだと勘違いする、あれ……。
えー、まじかよぉ。やってらんねーぞ。さっさと冷静になれよ!もう!私はどっちかいうと、マル兄みたいな人のほうが好きなんだから。
え?
あれ?何言ってるの、私……。私まで、吊り橋効果かよっ!冷静になろう。うん。
はー。
「事件は未遂に終わり、すぐに実行犯はつかまりました。そして、実行犯が、元数学教師であるセルシーオに雇われたということが判明」
ざわざわと一段とざわめきが大きくなる。教師たちも驚きを隠せないでいるようだ。そりゃそうだ。昨日まで仲間だった教師の一人が王族殺害計画の首謀者と言われれば……。
「セルシーオの採用に関わっていたのは教頭ですね。どう責任を取るおつもりでしょうか。こちらで身元を確認したところ、どうにも不明瞭な点がいくつかありました。採用するにあたってきちんと身元を調べましたか?もしそれを怠っていたというのであれば、責任は逃れられませんよ?」
おしっ!と、フレッドが小さくガッツポーズ。
なぬ?
まさかの展開。
「あ、いや、それはその……。大丈夫だと……」
「大丈夫とは?」
「好きなように採用すれば大丈夫だと言われて……」
「誰に?」
おお、これは、もしや!さらにその上も芋づる式に?
って、左大臣派一網打尽か?
「困りましたねぇ。好きなようにという言葉は、誰を採用するのかを好きなように決めることができるというだけで、能力の確認や、身元の確認などを怠ってはいいという話ではないと思うのですが……何をどう勘違いしたのか。申し訳ありません」
副校長が出てきた。
「私の教頭の指導力不足が招いたミスのようです。責任をとって、私は副校長の座を降りたいと思います。そして、空席となってしまう教頭職を引き継ぎましょう」
ん?
あれ?
「そうですか。では元教頭にはまだ聞きたいことがありますので、連れていきます。今後このようなことがないように、いいですね」
と、元副校長に釘をさして呪われし裁判官は壇上を降りた。
「そ、そ、そんなぁ……そ、そんなぁ……」
元教頭が腐った魚の目をして、ふらふらと兵に連れられて行った。ドナドナ。
「うーん、尻尾を切られたか……」
フレッドが悔しそうな顔をする。
……あーっと、もしかしてだけど……。
「フレッドって、わざとFクラスになったの?」
ぼそりと聞いてみた。
教頭をはじめ左宰相派の不正行為をつぶすために、虐げられているであろうFクラスのほうが何かと動きやすくて?
「リザークと一緒だよ」
はぁ?
一緒?
いや、私は、手違いでFクラスになっただけですけど……。
「右宰相が、ただ手をこまねいているだけだとは思わなかったが、お前が一緒で心強いよ。これからもよろしくな!」
いや、違う、違うぞ!
お父様はこの件に関して何にも動いてないよ。
もしかすると、兄たちは何か動いてるかもしれないけど、私は本当に何もしらないし……。
これからも、よろしくとかしたくないんだよぉぉぉぉーーーーーっ。
なんで、こんなことになってんの!
ここまでご覧いただきありがとうございます。これにて1部完です。
2部開始までしばらくお待ちを!
まずは教頭を排除。まだなんだか裏のありそうな副校長が残ってますよ。
そして、フレッドにおおいに誤解されるリザーク。
Fクラスは卒業までにSクラスを追い抜くことができるのか!
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