次の日
「証人として証言するというのであれば、罪を軽減しよう。でなければ、逃げても逃げきれない上に、捕まれば死刑は免れないけど、どうする?」
フレッドの言葉に、男たちがコクコクとうなづいた。
「ありがとう。君たちがいなければ僕も無事ではいられなかっただろう。お名前を教えていただけますか?」
マル兄が駆け出した。
「名乗るほどの者ではありません。無事でよかった!」
おお、去り際もかっこいいな。
「ぜひ、お礼を」
また、それか。だから、断る!
「私のことはお忘れください!」
と言って、私もその場を駆けだした。
「待って!」
って声は聞こえたけど、犯人たちを放り出して追いかけることはできなかったようだ。
……明日、またフレッドがリザークに何か言うかもしれないな。
うーん、あれだ。「女なのに男を投げ飛ばすなんてはしたないところを見られて恥ずかしいんだろうから、探すな」とでも言おうか。うん、そうしよう。
……はぁー。でも、フレッドが無事でよかった。
マル兄……もう一度会いたいな。ちゃんとお礼が言いたい。Fクラスというところまでは分かっているんだから、2年3年4年の教室をのぞけば見つかるかな?
次の日。
講堂に全校生徒が集められていた。
壇上に立つのは、呪われし裁判官だ。
えー、また来たの?
「学校内のもめごとには我々は一切関知しない。身分による区別も差別も一切しない。それはあくまでも原則である。通常行われる学生としての範囲内であればという条件があり、それを逸脱した事案については、我々、法をつかさどる者が動くことになる」
という前置きに、生徒たちがざわめいた。
何事だという顔で近くにいる生徒同士顔を見合っている。
昨日のことだとは思うけど、なんか大げさだな。
「校則では、校内への刃物の持ち込みは禁止されているのは知っているな。王侯貴族の子弟が多数通う学校である。校内での安全を確保するため当然のルールと言えよう。そのルールが破られたということは、すなわち誰かを害する目的が明白だということになる」
生徒たちのざわめきが一段と大きくなる。
「残念ながら、昨日、短剣を校内に持ち込んだ者がいる。生徒ではなく外部の人間であった。ターゲットとなったのは1年Fクラスのフレッド殿下。つまり、王族殺害未遂事件が起きたということです」
生徒たちのざわつきが一瞬収まる。
ごくりと誰かの唾を飲み込む音が大きくなる。
うーん、実際は、木刀で痛めつけようとしてうまくいかずに私を人質にとろうと短剣を出したとかそういう感じなんだけどなぁ。
「おい、大丈夫だったのかよ、フレッド!」
マージが青ざめた顔でフレッドの両肩をつかんだ。
フレッドはぽやーとした顔で、焦点の合わない目をしている。
「おい、フレッド!」
ゆさゆさとマージが揺らすと、フレッドが正気に戻る。
「ああ、大丈夫だ。僕の天使に助けてもらった」
僕の天使……(´・ω・`)




