殺害
フレッドも、剣のお手本みたいな動きだけあって、相手に引けを取らない。けど、ちょっとイレギュラーには対応が遅れるみたい。これはマージみたいなイレギュラー続きの相手と練習するとすごく強くなるかも。
とか、つい、2人なら5人相手でも大丈夫そうだなんて思って油断した。
ビシッ、バシッと、悪人たちがフレッドとマル兄の木刀に打たれる。
2人が痛みにしり込みし始めた。
二人が少し距離を取り、フレッドたちの隙を伺っている。
「畜生、なんで、痛めつけるつもりが、俺たちが痛めつけられてるんだ!」
もうひとりの木刀を飛ばされた男が、ポケットから折りたたみ式の短剣を取り出した。
うわー、折り畳みの短剣……ナイフ?とか、不良かよ!不良の喧嘩かよっ!
ぎろりと、男が私を見た。
え?これ、まさか、女の私を人質にとって、こいつの顔を傷つけられたくなければ抵抗するなって、パターンなんじゃぁ。
うぎゃー、さっさと逃げてりゃよかった。今から逃げても、絶対捕まる自信あるぅぅぅ。女の脚力、惰弱すぎるんだもぉぉぉん。うぐぐぐ。
だっと、男が短剣を構えたまま私の方に走り寄ってきた。
「危ないっ!」
フレッドが男の木刀を受け止めつつ私の方を見た。マル兄も、男の木刀を除けて私を助けようと足を動かす。
間に合わないよねぇ。
ああ、なんか、こういう、突進してくる男の倒し方……見た。
そう、何度も何度も、漫画で見た。とってもかっこいいシーンで、本当繰り返し見て目に焼き付いてる。アニメになってからもアニメを何度も見たし、実際の授業で再現できないかやってみたこともある。
小さな女の子の体で、大きな男の人を……。
短剣を持っている手をつかみ、くるりと体を返し、相手の突進してくる力を利用して「柔よく剛を制す」
一本背負い!
てやっ。
ドシーンと男は、背中を地面にたたきつけられて意識を失った。
やった!できた!ヤワラちゃんの一本背負い!すごい!本当に、軽かった!柔道すごい!
「え?投げた?」
「すごい……」
フレッドとマル兄がこっちを見て唖然としている。
「や、やばい、逃げるぞ!」
2人の男が逃げた。しり込みしていた男2人だ。
で、フレッドとマル兄に木刀を向けていた男二人は、逃げ遅れて、地面に張り付けられた。
「誰に、頼まれた、言え」
黒い煙が見えますよ、フレッドさん……。
「ふっ。誰かに頼まれたわけじゃねぇ、生意気な1年に、上級生の俺たちが喧嘩を吹っ掛けただけだ」
「そ、そうだ!ただの喧嘩だ。しかも俺たちの負けだから、何の問題もないだろうっ」
フレッドがギリギリと、男の腕をひねり上げる。
「いてて、謝るし、悪かった。Fクラスがちょっといい点数取ったからいい気になるなと言いたかっただけだ」
「違う、私は聞いたよ、金貨20枚で雇われたでしょうっ!」
私の言葉に、男たちがぎくりと体をこわばらせる。
「木刀だけなら喧嘩ですんだ。だか、お前の仲間が短剣を、刃物を取り出した。これは立派な王子殺害計画になる。校内の問題を逸脱している」
王子の言葉に男はさっさと口を割った。
「セルシーオだ、奴に頼まれた!俺たちは、殺害計画なんてっ、そんなつもりは……っ!」
「ふぅん。セルシーオ先生か。いや、元先生かな?」
ふふふと、フレッドが楽しそうに笑う。
いつもありがとうございます。
ふふふ。まさかの自爆の先生である。さ、どこまで追い詰められるかな?




