かっこいいぞ!もっとやれ!
「何をそんなに急いでいるの?まるで、誰かに追われているような顔していたけれど」
心配そうな声で問われ、思わず答えてしまった。
「あの、悪い人たちの話を聞いてしまって……フレッド、で、殿下を襲うって……」
ああ、しまった。話をしてしまえば巻き込んでしまう。違う、違う、助けを求めればいいんだ。
「先生に伝えてください、あの、第七訓練場あたりで待ち伏せしている人がいるかもしれなくて、その」
警備の人を呼んでもらえば……。
「フレッド……」
男の人は、小さくフレッドの名を口にすると、走り出した。えええっ、ちょっと、ちょっと、違う、直接助けに向かおうとしちゃだめだよっ。
待ってっ!巻き込むつもりなんかじゃなかったっ。
慌てて後を追う。
速い。
っていうか、全力疾走。すごく必死に走っているのが後ろからでも分かる。フレッドの名前を殿下をつけずにつぶやいてたけど、知り合い?
そういえば、前にもトランプをフレッドに渡しておこうかとかなんとか言っていたっけ?
もしかして、護衛にと同じ学校に通わされてる誰かだったり?この前もこのあたりで会ったけど、お迎えに上がりました的な感じなんだろうか?
走っていくと、男の子が、第6訓練所の小屋に向かった。
ん?場所間違えてる?そりゃ、第七訓練所はただの草原だしなぁ……。って、そんなこと考えてられない。急ごう。ここに来るまでにフレッドの姿はなかった。
第七訓練所、大岩の下に人影が見えた。
木刀を構えた男たちに距離を詰め寄られるフレッドだ。
「これをっ!」
ひゅんっと、声に反応して振り返ると、男の子が手に持っていた木刀の一つを投げてきた。
ああ、そうか。第6訓練所の小屋から木刀を取ってきたんだ。
「危ないっ!」
思い切りフレッドの肩に向かって振り下ろされた木刀を、間に入って受け止める。
両手で木刀を持って受け止めた。
「誰だ、お前は!」
「あ、あ、あなたは……」
くっ。1度剣を受けただけだというのに……もう、握力がっ。
「殿下、逃げてくださいっ」
ポロリと、手から木刀が落ちる。
「ははっ、女にかばわれる王子とか、さすがFクラスの屑は違うなっ!」
「王子だと、分かっての襲撃か!」
2方向から木刀が振り下ろされた。
フレッドが、私が取り落とした木刀を拾うと、一人の足をたたきつけ、そしてもう一人の体に体当たりをかます。
ふらりと男とともによろめくフレッドに、別の男が木刀を振り下ろした。
「させるか!」
カツーンと、振り下ろされた木刀は高い音を立てて飛ばされた。
「君は?」
「フレッド……殿下、助太刀いたします。君は逃げて」
マルヴェル似の男の子が私の手を取り背中を押す。
逃げるなんて、そんなこと……。と、思ったけれど、5対2なのに、フレッドとそれからマルヴェル似の……ええい、呼びにくいな、マルヴェルのお兄さんみたいということで、マル兄とでも呼ぼう。
マル兄の剣さばきすごい。兄1ほどじゃないけど、迷いなく正確に相手の剣をうまくかわして攻撃につなげるの。
カッコいいぞ。
いつもありがとうございます。
感想感謝です。なかなか感想返しもままならないこともあり申し訳ありませぬ。
もうすぐ第一部完結! 王子の身はいかに?!
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