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■転性悪役令嬢 ~男になって破滅フラグを回避したいだけなのに、Fクラスの下克上とか溺愛とか知りませんっ!~  作者: 富士とまと


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誰だ、誰だ、誰だ?

 どこ、いるんだろう。

 と、廊下を歩いていると、大荷物を抱えたソフィア先生と一緒に、大荷物を抱えているサーシャを見つけた。

 ああ、そういえばソフィア先生いないと思ったら、あの大荷物なんだ?

「手伝います」

「うん、ありがとう。まだ食堂に荷物あるから、それ運んでくれる?」

「食堂ですか?」

「ええ。数学テストは学年トップでした。そのお祝いを授業後にしたいと思って。飲み物と軽食を買ったので」

 うわー。なんか、こののり!日本でもあった。体育祭のあととかで、先生が自腹でジュースをみんなにおごってくれたり、部活の試合のあとに先生が自腹でラーメンおごってくれたりとか、そいう系だ。

 ソフィア先生熱い先生だなぁ。大好き。

「じゃぁ、取りに行ってきます」


 授業修了の鐘がなったら、宴会だぁ!ちがった。打ち上げ。打ち上げ。ソフィア先生ってば、奮発したんだね……。

 飲み物も食べ物もてんこ盛りだよ。

 へへ。みんな頑張ったし、こういうご褒美いいよね。

 もぐもぐ。おいしいなぁ。食堂の普段のメニューにはない、ケーキ。

「マージ、食べ方汚い。食べ方もマナーの一つでチェックされるぞ!」

「いいだろう、こういう時くらいん。なぁリザーク」

「良くありませんわ。マナーのテストまでに改善できるとは思いませんもの。普段の食事からきちんとしませんと」

 3馬鹿トリオがじゃれてる。サーシャの様子もいつも通りに戻ったようだ。良かったよかった。

「あ、ご、ごめんなさい、私、暗くなる前に帰らないと」

 窓の外を見て、サーシャが立ち上がった。

 うおうっ!本当だ。楽しくてうっかり忘れてた。私も、帰らないと!

 やばい、まずい。

「ボクも、兄の訓練が待っていました。先生、今日はありがとうございました。マージはフレッドにちゃんと指導してもらえよ」

 と、くぎを刺して置く。

 これなら、フレッドも教室でマージの相手をしてもし、まんがいち、女の姿になっちゃっても偶然会うハプニングは起きないだろう。って、やばい、マジ時間がない。

「じゃぁ、また明日!」

 とあいさつして教室を飛び出す。

 ちょ、まずい、なんか、足の裏がムズムズする。

 廊下を走り、人気のない教室に飛び込んでしゃがみこむ。

 男から女の姿に変わるところを見られるわけにはいかない。このペースなら、どっか廊下の途中とかで変身しちゃいそうだ。

 教室で隠れて女になってから移動したほうが無難そう。

 とりあえず、クラスと学年が分かるバッチとタイをはずす。

「来たか、たのんだぞ」

 ふえっ。

 人の話し声。や、やばい。

 四つん這いで机の間を奥に進み、見つからないように隠れる。

 人の声はしたけれど、教室に電気がともされることはなかった。

 これなら、外はすでにかなり暗く、教室の中は影になっているところなんてろくに見えないはず。ああ、早く女に代われ。

「おい、聞いてないぞ、襲撃相手が王子だなんて」

「そうだ。さすがに、王子を襲うなんてまずいんじゃないのか?」

 え?

 王子を襲う?

 何の話?

「大丈夫ですよ、制服さえ着てれば。さっさとそれに着替えてください」

「はぁ?この年で制服?さすがに無理があるだろう」

「もう日は落ちてますから、顔なんて見えませんよ。とにかく制服を着てればこの学校の生徒にしか見えません」

 制服を着ろ?

 学生じゃない人間に制服を着せて何する気だ?

「この学校は、徹底して身分による特別扱いを排除していますからね」

 この声、どこかで聞いたことがある……誰だっけ。

いつもありがとうございます。


なんだか怪しい計画を耳にしたよ?


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