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無表情少女とついてく魔物  作者: カボチャ煮
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少女のとある日


「…熊、捌くかな」



星が綺麗に見える清みきった森の中、物騒に話す少女、ここにあり


彼女の名前は森北ユキ、今年で14歳となる


 


ズブッ…ズズズ


少女には似つかわしくない、その肉斬り包丁を片手に熊の毛皮を剥いでいった



学校から帰る途中に、跳ねられて死んでいる熊を見つけた。ユキはそのまま熊を家に持ち帰り、解体作業をしている。



鈍い音が森に響く、夜行性の動物は怖がって出てくる様子もない


こんな少女が森で熊を解体するなど普通はない、しかしユキはこの森に長い間一人で住んでいるのだ




ユキの両親はユキが物心つく頃にはもういなかった

しかし悲しくはなかった、親はいなかったが自分を愛情込めて育ててくれる祖父母がいたから



祖父は一人で生きていけるよう、男らしく育ててくれた


家を建てる技術、生き物を狩る技術、野菜を育てる技術…様々な事を慎重にわかりやすく伝えてくれた。


今でも乱暴な手で誉めてくれた笑顔は忘れていない




祖母は一人で生きていけるよう、女らしく育ててくれた


炊事洗濯、獣の捌き方、服の作り方…様々な事を丁寧にわかりやすく伝えてくれた。


今でも温かい手で寝かしつけてくれた優しさは忘れていない




ユキが祖父母に生きる知恵を教わり、一人で生活できるようになった頃には森でただ独りの人間になっていたのだ




「…終わった」




ユキは捌き終えた熊を夕飯の分に取り分け、残りを保存食にするために干した


夕飯は先程の熊を鍋に入れ、グツグツと煮込み、適当な野菜を刻んで入れる、灰汁がすごいので熊鍋にするのが調度いい



「…いただきます」



一人の食事ももう馴れた、皆で食べた方が美味しいと良く言うけど、別にそんな変わらない




夕飯を食べ終えたユキは、後片付けを済ませ宿題に取りかかる

しかし、熊を丸々一体解体するのは捌きなれた彼女でも体力を使う

なのでユキはそのまま机に突っ伏し眠りについた







…そんな彼女見ていたどの生物よりも圧倒的な力を持つ彼は、異世界という名の、地球ではない別の世界に彼女の家ごと移した



生きる力を持った彼女なら、この世界でも生活できるだろうと思い、少しの能力を与え彼は消えた




その行為はただの気まぐれだったのかもしれない


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