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8. 千差万別、患者さま ①

看護師って入院した患者さまの身の回りの世話や医者の補助をするお仕事だと思いますよね。

全くその通りなのですが、それをするのに看護過程・看護計画と言う書面にしなくてはいけない事ご存知ですか?

アナムネーゼ(ドイツ語で既往歴だったかな)なるものを入院時に取るんです。既往歴から病歴、家族構成、職業から日常生活の事まで本人又は家族から聞きます。それを元に、看護計画を立てて行きます。この患者さまにはどの様な援助ご必要になるのか考えるんです。どの理論を使うのかは施設によって違うのかもしれませんが、ゴードンさんの11の健康機能パターン・ヘンダーソンさんの看護ケアの14の構成要素などを活用してどんな問題が有るのか絞っていくのです。書式もそれぞれの施設で違うですね。多分。



最初の病院はそこら辺はユルユルで、どの理論を使ってとかは無かったです。わかりやすく、端的に。

例えば、# 胃癌 とかで立ててみたり、痛かったら#疼痛、術後でお風呂に入らないとかならば# 清潔みたいな感じでSOAP仕立てで記入していきます。別にこれをしなくても看護ケアはされていくんですけど、書式として残して、こう言う情報を元にこんな所を観察して、考えて、計画して、実行して、評価して、解決しました。又はここはまだ解決してないので続行します。って感じでチームの皆で足並みを揃えていくのです。

でも、受け持ち制では無かったので責任の所在が全くなくて。気がついた人が計画を立てて、時間がある時に評価して、気がついたら一回も評価される事もなく退院なんて事はザラだった気がします。これじゃいけないんですけどね。


次に勤めた所は、院内での学習がすごくて。大学から講師を招いて、看護理論やら計画の立て方やら勉強しました。受け持ちチーム看護制で、入院から退院まで受け持ちをして、日勤の時は必ず受け持ち。看護計画も全部一任されて評価日を決めて評価修正していました。学生の時、ゴードンさんとかの理論を習った覚えがないんですよ〜。だから「どなたですか?」って感じでして。本を片手に考えてましたよ。学生みたいに。



話は変わりますが、あれから◯年以上だっているので、お星様になってしまった方、今でも元気に頑張っておられる方いると思います。その中で今でも私の胸に大きな喜び、悲しみ、驚きを与えて下さった、患者さま達のお話を少しばかり。


確か、初めて1人でアナムネを聴取して、病棟案内をして、手術の説明をして、手術前後を受け持って、退院された患者さまだったと思います。


白山さん、50代の男性、同じ大学系列の中学校の体育の先生。病名は鼠径ヘルニア。世間でいう「脱腸」って奴です。笑顔の優しい人だったと記憶してます。腰椎麻酔で手術して、翌日には歩いて、計画的には順調。ただ、この年代の人って「痛みは我慢するもの」って考えている事が多いんですよね。弱音は吐かない。

「切ったんだから痛いのは当たり前!痛くて日常生活が送れない方が問題だから、積極的に鎮痛剤を使いましょう!!」とお話をしました。使用したらかなり楽だったようで、感謝されたりもしました。体育の先生だったので、退院後は腹圧をかけないようにとかサラリと話したりもしました。

良性の疾患なので入院は一週間位の予定で直ぐに退院しちゃいました。


その後です。ある日、自宅に宅配便が届いたのです。

白山さんからでした。

入院中のお礼状とチョコレートの詰め合わせ。

あれ?どうして?自宅?

住所は何処で知ったのよ〜(汗)

超ビビリました。


病棟のベテランクラークさんに聞いた所、どうやら大学で全ての職員の住所録があるんですって。大学から病院から付属の小中学校全部の職員の住所録。びっくりですね〜〜。これももう無いと思いますが、当時は個人情報ユルユルだったんだなーと。


チョコに罪は無いので、美味しく頂きました。

自宅に宅配便が来たのはこの時だけですが、本当にビックリしので、今でも覚えている出来事の1つです。








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