5. 初めての‥‥②
その次の初めましては、
「夜勤」デス。
深夜勤は24時から8時30分、
準夜勤は16時から24時30分だっかな。
三交代だったので、勤務は休みの後の日勤から始まるのがセオリーでした。日勤、深夜、準夜、休みのテンポです。酷くなると日勤、日勤、早出、深夜、準夜、準夜、休みなる鬼勤務もありました。兎に角、日勤が16時30分に終わるなんて奇跡は早々ないんです。この頃、仕事が終わるのが18時近くでした。通勤に1時間近くかかってましたから(寮に入ってましたが、借上げで、病院の周辺でも最寄りの駅の沿線でもなかったです)、帰って、ご飯食べて、シャワー浴びて、仮眠。23時30分には病棟につきたいので、22時には起きて出勤になるわけですね。そうすると睡眠時間は3時間程度。これは寮に帰った場合になります。しかし、病院には看護師用の仮眠室がありました!勿論個室ではありませんよ。二段ベッドが8台並んだホントに寝るだけの部屋。コソッと入って空いているベッドで寝て、コソッと出てくるんです。初めての時は、家に帰るのが怖くて泊まりましたよ。
で、最初の深夜は5月のGW明けに順次回って来ます。新人3人、先輩3人の豪華なラインナップなのです。先輩のフォロー付き夜勤は1人3回まで。4回目からは1人立ちなのですよ。
この日、新人3人で仮眠室に泊まる事にして、さぁー夜ご飯どうしようか?みたいな感じで話していたら、看護師長さまが登場。
「あんた達に、昨日夜勤でしよ?体力つけなきゃダメじゃない。ご飯行くわよ!」
鶴の一声で焼肉屋さんに連行されました。
じゃがじゃが注文され、「仮眠室でしょ?眠剤がわりに飲みなさい」と、ビールをつがれ、夜勤の心得を説かれ、「あら、もうこんな時間ね」と解放されたのは21時。これから勤務なのにお酒良いの〜とか、私達いつ寝れるの〜〜とか全部飲み込んでお腹一杯ご飯食べてました(笑)今思えばNP(no problemの略。看護記録に書いてたなぁ)だけど、当時は師長に物も申せず、ハラハラドキドキのご飯タイムでした。師長とご飯を食べたのはコレが最初で最後。勿論、奢りでした。
ビールも飲んだけど寝れもせず、ベッドでゴロゴロして終わり、23時30分、いざ出勤!
非常灯とトイレとナースステーションからの明かりしかない、薄暗い夜の病棟。初回の受け持ちは6人部屋2つだったかな?基本の情報収集から始まり、深夜帯で使う点滴の確認、そして申し送りです。それが終われば受け持ち部屋のラウンドで皆さん息をしているか、点滴は問題ないか、酸素投与量は指示通りか、ドレーンなどの排液量、性状はどうか、尿器やポータブルトイレは使用してないかなど見てまわるんです。術後の患者さま、容体が悪い患者さまがいると更に観察ポイントが増えていきます。
夜勤はただナースコールが鳴るのを座って待ってるだけじゃないんです。日勤の点滴準備して、包交車(回診する時に持って回る、ガーゼとか消毒とかのっているカートのこと)2台の整理、補充、翌日の医師の指示書の確認、救急カートの確認、補充、DCの動作確認(ドラマで心停止した時にやってる電気ショックな奴です)、看護記録用紙の補充、看護計画の評価、見直し‥‥‥‥やる事やらないとお茶も飲めません。2時と4時には受け持ち部屋を懐中電灯片手にラウンドし、自力で動けない患者さまの体位変換、点滴合わせて、尿器片付けて‥‥‥終わった〜と思ったらもう5時。早いけど朝ごはんです。私達の。
何を持ってくるかを示し合わせていた記憶がありますが、余り覚えてないです。唯一、覚えているのが冷凍食品の焼きおにぎり!必ず食べてました。ナースステーションの1番奥にある机に集まって、シャーカッセンで仕切りして、しばしの休憩ですが、その間もナースコールが鳴ると出動します。終わったら、歯を磨いて6時、朝の検温です。
「おはようございます」と言いながら、電気を付け、カーテンを開け、順番に検温していきます。朝は検査がある人と血圧測定しないとまずい人以外は体温と脈拍だけだったかな。「お変わりないですか?」「ないです」のやり取りで終わる人もいるし、術後の患者さまは患部の確認やらガーゼの確認やらがあり、汚れていたら交換し、ドレーン類の排液量の確認やら食前の血糖チェックをし、ナースコールを取り、申し送りまでノンストップですよ。
申し送りが終わったら、記録の時間。ひたすら書き書き。もう、ナースコールも取らない!全てが終了したら9時近かったかなぁ〜。眠くなってる暇なんてありませんでした。
人が眠っている時間に働く事になるのですが、灯りの少ない静まり返った独特な雰囲気が結構好き。忙しくてげっそりする事もあるけど、夜勤も結構好きな私です。