行ってきます!
私は遠野悠里、17歳。家から通える距離にある、進学校(共学)に通っています。私は、少し長めの黒髪を無造作に束ねてあるだけ、さらに目が悪くて黒ぶちの眼鏡をかけている。自分で言うのも恥ずかしいが、大変イモくさい。それに加えて、クラスでは学級委員をやっている。もう私のあだ名は何だかわかりますね?そうです。『委員長』です!うわ~モブ過ぎる~、と自分でも泣けてくる。
そんな私ですが、私だけの王子様をさがしています。
あの、絶対今こいつヤバい奴だ、電波だ中二卒業できてない、逃げろヤバい!!って思いましたよね。
でもこれには深い訳があるのです。現在進行形で。
私の家は両親が共働きで、私は小さい頃から1人でいることが多かったんです。まあ、それは別に寂しくはありませんでした。生活のために働いてくれている、ということは子供心にも解かっていたし、隣のお家の虎ちゃん(男)がよく遊びに来てくれていたから。
忙しいだけで、両親の中が悪いなんて思いもしませんでした。
私が小学生の頃でした。私はどうやらインフルエンザに罹ってしまったようで、保健室の先生が両親に電話をしてくれて、早退しました。父も母もその時すぐには帰れない、ということだったので、病院に保健室の先生が付き添ってくれて、そのまま家まで送ってくれました。でも、両親はその日、いくら待っても帰ってきてくれませんでした。
次の日、やっと帰ってきてくれた母が私を見て驚いたみたい。もちろん帰ってきたと思っていた父が居なかったからです。私は、物凄い熱と、脱水症状でそのまま救急車で運ばれた。
病院で父と母が罵りあっていたのを、おぼろげなら覚えている。2人が言っていたのは要約すると、自分の子供よりも愛人の方が大事なのか?!と。
いや、2人とも同じクズだからね?子供にそんなショッキングなこと聞かせないでね?私年の割に賢いから(WWW)全部わかっちゃうんだからね??
皆さんのご象像通り、ダブル不倫でした。そして私のことは、父は母が、母は父が帰っているだろうから、まぁいっか!と思っていたらしい。病院で、先生と看護婦さんからこってり絞られてたし、ざまあ。
唯一の癒しは、比較的回復してきた時に、お見舞いに来てくれた虎ちゃんが、ずっと手を握っていてくれたこと。いや~癒された~
ま、こんなエピソードがあるくらいだから、私の両親はそりゃあもう仲が悪い、というかこの事件を境に開き直ったらしい。最早隠さず不倫してますからね。まだ家に不倫相手を連れて来ないだけましかな?…大分私の感覚もおかしくなってきましたね(汗)
こんな両親を見てきて、私は思いました。
私はきっと、ネズミの国のプリンセスシリーズのお姫様みたいに、自分だけの王子様を見つけて見せる!って。
あ、別に私自身がお姫様になりたい、とか、お金持ちのイケメンをゲットして、末永く幸せになりました(特に金銭面で)、とかになりたいわけではありません。
真顔で言うのは恥ずかしいんですが、運命の赤い糸同士で繋がっている相手を見つけたるねん!!ってことです。私は一回の人生で、複数の人と数々の恋の浮名を流してなんとなく結婚、は嫌なのです。別にそれ自体は決して悪い事じゃありません。というか、ここでも両親の影響なんですが、母がよく言っていました。「お母さんはね、30を過ぎて周りのお友達が結婚して子供を産み始めて、焦っちゃったの」って。
あーだから不倫ねー(棒読み)
だから私は、一回の人生で、一人だけでいい。
雷で撃たれた、そんなような恋の始まりで~とか、パンを加えて走っていたら男の人とぶつかって~みたいな恋をしてみたい!何時代の恋だよ、昭和か?!ってツッコミがきそうですけど、いいんです!
なので、最初に戻って、
私は、私だけの王子様を探しているのです。
ということになるのですよ。ね?可笑しくないでショ?危なくないショ??
ということをつらつら考えていたら、学校に遅刻しそうです。なんか今日はうちのクラス(2A)に、転校生がやってくるらしいんです。まだみんなには教えていないそうですが、私は『委員長』なので昨日教えてもらいました。よろしく頼むぞ、だそうです。
だからなんとしても今日は遅刻することは出来ないのです。
私は慌ただしく身支度をしながら、玄関に行き、ドアを開けた。振り返りながら、誰もいないと知りつつも声をかける。
「いってきまーすっ!」
明るい恋愛話じゃなくて、コメディーを意識しつつもヤンデレに着地したい。と思うけれども予定は未定。って逃げます。