EX#05 ある魔法少女の旅日記
古都シャグリラ。
美味しい食べ物がいっぱいあった。
また来よう。
名も無き農村。
村人は皆親切だったけど、食べ物は最悪。
このルートはバツ。
二度と通らない。
湖の畔で一泊。
小さな魚ばかりでお腹が膨れない。
結局、味気ない保存食で我慢する事になった。
その代わり、盗賊に襲われる。
懐は少し温かくなった。
昨日返り討ちにした盗賊の住処を借りる。
邪魔な人達は全員排除。
残念ながら、ここにも美味しい食べ物はない。
次の日の朝、腹いせに全部燃やす。
ようやく新しい村に辿り着いた。
村の名はウィロント。
しかしここでも美味しい食べ物は手に入らない。
そろそろキレそう。
道端で出会った冒険者一向から甘いお菓子を貰う。
その日の夜は、ちょっとだけ気持ち良く眠りに付けた。
今度あのお菓子を見かけたら買い占めようと心に決める。
街が見えた。
でも見えただけ。
今からこの山を降りても今日中には辿り着けそうもない。
よって、今日も野宿。
鳥を焼いて食べた。
古都シャグリラで香辛料を買えなかったのが痛い。
雨が降って川が増水し、橋が流されていた。
街は目の前なのに、川が渡れない。
今日の晩御飯は川魚になる。
塩をちょっとかけすぎたかも。
大雨になり、川が氾濫した。
街が水没してしまったので、まともな食べ物が手に入らなさそう。
がっくり。
川沿いに上流へと向かう。
お腹空いた。
良い匂いが香ってきたので、森の中へ。
木こり小屋らしき建物を発見。
意外な所で美味しい食べ物をご馳走になる。
森の幸。
お礼にこの前手に入れたばかりの短剣をあげると、とても喜んでくれた。
木こりに道を教えてもらい、森の中を進む。
迷った。
ちょっと早まったかも。
酸っぱい木の実をいっぱい見つけたけど、全然嬉しくない。
人里から離れているためか、魔者にやたらと遭遇する。
とても面倒。
出来れば兎とか羊とかに遭遇したい。
今日の晩御飯も酸っぱい木の実だった。
今からでも引き返して木こり小屋でもう一度お世話になりたい。
でも道が分からない。
ここはどこ?
ようやく森を抜ける。
見た事のある農村が目に入った。
二度と通らないルートと決めたのに。
その日の御飯は、この前よりも少しだけ美味しく感じた。
私の舌が壊れかけてる……。
古都シャグリラに戻って美味しい食べ物を食べまくる。
路銀が危ない。
どうしよう。
噂を聞く。
何でも、最近新しく見つかった迷宮があるとかないとか。
あるの? ないの?
どっちなんだろう。
次の日、アルバイトをする。
寝食付きだったのであまり路銀の足しにはならないが、御飯が美味しいのでつられてしまった。
その夜、下心のあった雇い主に襲われる。
ボコボコにしたら事情を説明する前に女将さんに追い出された。
給金、貰ってない……。
翌日、女将さんを路地裏で捕まえて、無理矢理事情を説明する。
迷惑料と口止め料を受け取った。
足りない。
昨日働いた給金も払わせた。
ストレス発散で美味しい食べ物を食べまくったら、また路銀がピンチに。
噂を聞く。
村が二つ、滅んだらしい。
だからどうしたのだろう?
情報収集の大切さをこの前の旅路で学んだ。
だから同じ轍を踏まないために頑張る。
路銀は盗賊達が持っていた物を売ってなんとかなった。
すっかり忘れていた。
美味しい食べ物が食べられるルートを発見。
早速、旅支度を終えて出発。
しかし早々に大雨が降り始めたのですぐに引き返した。
幸先が悪すぎる。
次の日、予定していたルートが土砂崩れで通れなくなっていた。
最近どうしてか運がない。
現地にて臨時の土木作業の応援依頼があったので参加。
でも肉体労働は嫌なので、愛想を振りまいて士気向上に努める。
頑張って働いた後の御飯は美味しい。
朝、目が覚めると顔が筋肉痛になってた。
慣れない事はするものじゃない。
通れそうな道が出来てたので、一足先に進む。
また道が塞がっていた。
好い加減、面倒なので丸ごと吹き飛ばした。
私が通った後、もう一度土砂崩れを起こして道を塞ぐ。
証拠隠滅。
崖沿いの道の先で検問所にぶつかった。
でもこの辺りには検問所はない筈。
用心して窺っていると、柄の悪い山賊さん達のご登場。
臨時収入だ。
でもその分、目的地に辿り着けず野宿する羽目に。
昼を回る前に目的地の街へと着く。
ココラの街。
今回は事前に情報収集をしたのでバッチリ。
山賊退治の報酬もせしめ、少し豪遊。
噂を聞く。
奴隷を大量に募集中との事。
でも随分前の噂みたいなので、今はどうか分からない。
どっちにしても関わりたくないので、右から左に聞き流す。
今日の晩御飯は何にしよう。
次の目的地、ソラ村へと向けて出発。
到着。
ココラの街と隣あってた。
いっそ合併すればいいのに。
予定が狂って暇になったので給仕のアルバイトをする。
摘み食いと賄い食で一日中天国状態。
もう一日、天国を味わう。
もう一日だけ、天国。
もう一日……。
次の日。
お店の採算が合わなくなったと怒られ、クビになった。
摘み過ぎた。
仕方なく、旅に出る。
今日の晩御飯は野宿で非常食。
予定外の滞在で保存食がダメになってた。
天国との落差が激しい。
空腹で行き倒れた。
誰か通りかからないかな。
次の日、奴隷商の集団に通りかかられた。
猿轡を噛まされ、法術封じの枷も付けられる。
一時的に奴隷に身をやつす。
今日も美味しい御飯にはありつけなかった。
奴隷商の前に連れ出される。
チャンス。
護衛の奴隷頭を叩きのめし、交渉を開始。
次の町までの護衛の仕事を引き受けさせた。
御飯が美味しくない。
食事の改善を要求する。
腕に覚えのあった奴隷の一人が、急遽奴隷商の専属料理人に抜擢される。
その人の人生を変えてしまった。
意外と言ってみるものである。
テシオスの町に到着。
護衛の報酬を受け取り、早速美味しい御飯を食べる。
ほっぺたが落ちるぐらいとても美味しかった。
べた褒めしてから追加注文すると、サービスの一品も追加される。
ちょろい。
昨日はちょっと食べ過ぎた。
一日中、部屋でダウン。
明日、今日食べられなかった分を取り戻す!
復活。
でもお店は営業していなかった。
危険食材を使ったため、大量の病人を出してしまったのだとか。
美味しい食べ物には理由がある。
ちょっと勉強になった。
またダウンした。
件の危険食材は他の店にも出回っていたらしい。
時期的に考えて、あの奴隷商がとても怪しい。
でも死人が出る程の被害はなかったので、怪しいと分かってて使用したお店の方を天罰。
町から一斉に食べ物屋が消えた。
次に来る時までに美味しい食べ物屋が復活してる事を願いつつ出発。
奴隷商が向かった道とは違う道を進む。
そしたらお腹を壊して倒れてる盗賊を発見。
トドメを刺した後、身包みを剥いで人気のない所に捨てる。
南無。
この辺りは治安があまり宜しくない。
また盗賊に出会ってしまった。
あまり荷物は増やしたくないのに……。
金目の物だけ貰って、残りは焼却処分する。
化けて出てこないでね。
ユガサの山村に到着。
増えた荷物を格安で処分しつつ、美味しい御飯の情報を収集。
ちょっと時期が悪く、今はないらしい。
売却金額を適正価格に戻す。
固まってしまったご主人の顔がちょっと面白かった。
奥から出てきた奥さんに頭を小突かれて再始動。
その後、奥さんから晩御飯をご馳走になる。
奥さんの方がご主人よりも商売上手だった。
美味しい食べ物がないと分かったので、明け方すぐに出発する。
ちょっと雲行きが怪しかったからだ。
こんな所で何泊もしたくない。
その甲斐あって、本降りになる前に山を降りる事が出来た。
今夜は大きな木の下で雨宿りしつつ、干し肉を囓る。
同じく雨宿りをしていた動物達がこちらを物欲しそうに見ていたが無視。
朝。
目が覚めると、食料の入っていた荷物だけがない事に気が付く。
動物達に持って行かれた。
昨日は遠慮したが、次見かけたら今晩の御飯になってもらおう。
弱肉強食。
貴方達が悪いのですよ?
翌日のお昼頃。
仕留めた獲物を火で炙っていると、商人が通りかかった。
そしたら毛皮の剥ぎ方がなっていないと怒られる。
何故か急遽、毛皮剥ぎの講義が始まってしまう。
無駄に命がまた散ってしまった。
御免なさい。
毛皮とお肉のほとんどを商人に譲って、その代わりお金を貰う。
臨時の講義は無料だったらしい。
決して脅した訳ではありません。
商人が歩いてきたらしき道を進む。
単身での旅だったので、きっとこの道は安全だ。
無事に夜を迎える。
……あの講義がなければ、今頃は城下町に辿り着いてる筈だったのに。
山を越えてまでショートカットして辿り着いたウインスヘルクの城下町。
この辺りまでくれば治安はかなりいい筈。
と思ってたのに、検問していた兵士の質が悪い。
お尻を触られた。
ボコボコにしてやりたいけど、流石にここは我慢。
ここを抜ければ、美味しい食べ物が私を待っている!
今日は一日、美味しい御飯を食べて過ごす事に決めた。
御飯を待ってると、噂を耳にする。
新しく発見された迷宮へと遊びに出かけた有名な奴隷商の息子が行方不明になったらしい。
間違いなくもう生きてはいないだろう。
ただ噂の中心は、連れていた奴隷の中に亡国の姫が混じっていた事の方。
これで旗揚げの計画はなくなったとも聞く。
そんな事より、かなり前に注文した私の御飯はまだですか?
お腹が空きました。
物価が予想以上に高くて、上流層の町で美味しい御飯を食べるお金が足りない。
久しぶりにギルドへと顔を出して何か美味しい仕事がないか探す。
迷宮探査や新規開拓の仕事が高額報酬だったけど近場が良いのでパス。
無難に給仕のアルバイトを掛け持ちで行う事にする。
色んなお店で摘み食い出来るのはとても良い事だ。
美味しい御飯を食べては資金が底をつき、その度にアルバイトをする日々が続いている。
そのため、最近なんだか給仕の仕事が板に付いてきた。
それに色んなお店を掛け持ちしているからか、ちょっと有名になりつつある。
だから今度、給料アップを要求してみよう。
予想以上に同じ場所に留まり続けている。
このループは危険だ。
そろそろ抜け出さないと……。
数々の美味しい食べ物にさよならを告げて、また旅に出る。
ここより美味しい御飯に私は会いに行く。
そんな思いをこの町で仲良くなった人達に話すと、旅立つ前に色んな美味しい食べ物をくれた。
嬉しいけど、荷物がいっぱいになってとても重い。
早く身軽にならないと。
出発が明日になった。
またお尻を触ってきた検問所の兵士をボコボコにして町を出る。
これから旅立つのだから問題ない。
意外にも他の兵士達から感謝された。
彼はこの検問所のトップで、しかも常習犯だったらしい。
これ幸いと現行犯逮捕し、どこかへと連れて行かれました。
どうでもいいですけど、そろそろ行って良いですか?
野宿の後始末を終えて出発。
最近ずっとベッド暮らしだったから何だかとても新鮮な気分。
だからなのか、朝御飯を作って食べるの忘れてた。
後始末をしたばかりなのに、また火を起こして暫くぐつぐつ。
量より質、と言いたい所だけど、荷物がまだ多いので今日は質より量。
通りがかった旅人さんがちょっと驚いてた。
お昼も質より量。
また通りがかった旅人さんが驚いてた。
夜も質より量。
またまた通りがかった旅人さんが驚いてます。
貴方、これで3度目ですよ?
ストーカー疑惑勃発。
深夜。
ストーカーさんに寝込みを襲われたみたいです。
朝起きたら、昨晩念のため仕掛けておいた罠にストーカーさんが引っかかってました。
用心ってやっぱり大切ですね。
物言わぬ骸になってるストーカーさんに合掌。
さて、ゴソゴソっと……。
かなり早い時間帯に起床して出発。
昼前にティエルトの街へと到着。
でもここには美味しい食べ物はないので素通り。
夕方前にシシリーの街に到着。
しかしここにも美味しい食べ物があるという情報はない。
屋台を適当に食べ歩きしながら宿へ。
ああ、ウィンスヘルクが恋しくなってきた。
朝食もやっぱり美味しくない。
でも腹八分までは食べてから出発する。
本命は次の村。
自然と足が速くなった。
あ、雷雨……。
木の近くにいると危ないけど、雨宿りするには木の近くじゃないといけない。
ずぶ濡れになって保存食をダメにするか。
それとも命の危険があると分かって雨宿りするか。
効果があるのか分からないけど、避雷針をたてて雨宿りした。
今日も雨。
空から大粒の涙が流れ落ちてきます。
私の瞳からも空腹の涙が流れ落ちてきます。
火が炊けません。
味に拘って選んだ結果、生では食べられない物しか持ってません。
非常食もこの雨でダメになってました。
短い道程だと思って油断してた……。
目が覚めると、柔らかいベッドの上で寝ていました。
あれ、記憶がない……。
どうやら生き倒れていた所を親切にも旅の行商隊が拾ってくれた模様です。
荷物もちゃんと無事。
とても運が良かったと思いました。
普通なら身包み剥がされた後、犯されるか売り払われるか殺されるかです。
私もだいたいは殺していますし。
勿論、悪い人と分かった場合に限ってですけど。
そのまま一日静養して休みました。
病人食、とっても不味いです……。
ここはシシリーの街でした。
という訳で、つい最近通った事のある道を進みます。
美味しい食べ物が私を待っている。
自然とまた足が速くなった。
……あ、雷雨。
朝には小降りになっていたので出発。
葉がいっぱいついた小枝を傘代わりに持って急ぎ足。
時々雨宿りをして、小枝をぶんっと振って水気を飛ばす。
かなり疲れる……。
でもその甲斐あって、なんとかアルルゥ村に到着。
美味しい御飯を食べて、ようやく元気が出てきました。
次の日の朝、目が覚めると頭が重い。
無理しすぎた。
風邪を引く。
また悪夢の病人食が……。
今日もまだ風邪。
なんか隔離されてる様な?
今日も風邪。
峠は越したけど、まだちょっと頭が痛い。
それより、このままだと不味い病人食に心が殺されてしまう。
看病してくれてる女の子にこっそり賄賂を渡して美味しい食べ物を注文。
別の女の子が不味い病人食を持ってきてくれました。
あれ?
ようやく風邪が退散。
でも体力はがた落ち中。
心は瀕死状態。
しかしそこに光明が!
ようやくお許しが出て、昼食は美味しい御飯でした。
持ってきてくれたのは、賄賂を渡したあの女の子。
持ち逃げした訳じゃなかったんですね。
全快したら危うく天罰を与える所でしたよ。
それはそれとして、今日もまだ隔離生活でした。
次の日、遂に部屋の外に出る事が出来る様に。
どうやら伝染病を警戒していたみたいです。
こういう世の中ですからね。
ちなみに、あの女の子は村で使っている奴隷だそうです。
危険なお仕事は奴隷任せです。
そんな情報はいりませんから、もっと美味しい食べ物を下さい。
え、宿泊費と看病その他諸々のお金?
ウィンスヘルクで貯めた路銀が全て露と消え去りました。
今食べた御飯の代金は?
ツ、ツケで……
何とか頼み込んで、次の日になりました。
村人さん達から盗賊や山賊の情報を聞いて狩りに出かけます。
財宝をいっぱい持っていないかな。
ちっ、しけてる。
でもとりあえずこれでツケはチャラ。
ついでに少しだけ路銀が出来ました。
ここにはもうお仕事ないから、明日の出発は確定かな?
何日も滞在したのに、ほとんど美味しい御飯を食べてないけど……。
早朝に出発する。
なんか随分と身軽になったので身体がちょっと軽い。
食べれそうな動物を仕留めつつ、山を越える。
これを次の村で売れば、少しは路銀の足しになる筈。
お腹も膨れて一石二鳥。
今夜は焼き肉。
味付けなしなので、全然美味しくない……。
今日も歩き通し。
食べれる木の実を口に放り込みながらの旅。
なんか懐かしい。
昔はよくこうして故郷にある山々を歩き回ったものである。
……そろそろ故郷へ向かうルートも視野に入れて旅しようかな。
今日は子鬼や豚鬼、犬鬼といった魔者に襲われた。
珍しい組み合わせ。
普通はあまり同じ場所には生息しない筈なのに。
近くに野良迷宮でもあるのかな?
ローザの村に到着した……と思う。
でも見た感じ、村には見えなかった。
資材置き場?
鞭を持って奴隷達を働かせている偉そうな人に話しかける。
私にも鞭を振るってきた。
正当防衛成立……で良いんだよね?
ちょっと加減を間違えて殺してしまった。
最近とってもイライラしてたからなぁ。
あれ、でもこの人どっかで見た事ある様な……。
とりあえず逃げよっと。
明日はこの村から一日ぐらい歩いた先にあるらしいアフィリコの村に行ってみようかな。
2014.02.15校正




