疑い
・・・・・・。
気まずい・・・・・・。
3人は行商人のもとを離れてから、ずっと無言だった。
沙夜も千早も咲夜も、皆考えていることは同じだった。
「ひょっとして・・・・・・?」
咲夜が小さく呟いた。
だが、沙夜にも千早にもそれだけで十分すぎるほどに意味がわかった。
そう、伊吹は狐だったのかもしれない。
顔を見せられなかったのも、紐から匂いを嗅ぎ取ったのも・・・・・・。
狐が化けていたのだと考えれば全て辻褄が合う。
唐突にいなくなったのも、沙夜以外の2人には見えていなかったのも―――。
だが、そう考え始めた沙夜の中にはまた新たな疑問が浮かんでいた。
「じゃあ、何故わたしは伊吹と言葉を交わすことができたの・・・・・・?」
普通に考えて、ヒトと狐が言葉を交わすなど、ありえないのだ。
だが、伊吹が狐だとすると沙夜は狐と言葉を交わしたことになる。
「里のばば様でさえ、人外のモノと話をするのはすっごく大変なんだって、聞いたことがあるわ!」
沙夜の呟きが聞こえたのか、咲夜が言った。
「念入りに準備をして、それから一人呪いノ間に篭られるんですって。話をした後も、とても疲れて沙夜みたいに歩き回れる状態じゃあないそうよ?」
千早も言う。
確かに、2人の言う通りではある。
だが、沙夜には伊吹が狐だったとしか考えられなくなっていた。
でないと、説明が出来ない。
「ねぇ、でもわたしはね、伊吹は狐だったとしか思えないの。何故かは、わからないけど―――。」
短いです(´・ω・`)テスト終わったらちゃんと更新するから!!見捨てないでやってくださいっ><