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祭りの日の夢  作者: 篠原葵
祭りで出会ったお面の子
2/10

孤独

人が多くて息が詰まる・・・・・・。


普段ならこんなに人が居ることなどまずないこの里に、今日は近隣の村から多くの人がやってきている。

毎年、カミへと感謝を捧げるこの祭りは近隣の3つの村と合同で行っているのだ。

カミへ農作物と酒、塩を捧げ祈りの歌を歌ったあとは沢山の店が出る。

子供達はこれが楽しみで仕方がないらしい。

まぁ、沙夜もその一人なのだが。


沙夜は人を半ば掻き分けるようにして歩いていった。


「やっ・・・・・・!」


祭り着のすそに足を取られ、派手に転倒してしまう。

恥ずかしい・・・・・・!!

顔を真っ赤にしながら立ち上がり、木立の方へ行って汚れを払うと妙に惨めな気持ちになった。

みんな仲の良い友達や家族と笑いあって歩いている。


沙夜とて、一人で来たわけではない。

里でいつも一緒にいる咲音と千早と3人で出店を回ろう、と言っていたのだが・・・・・・。


「完全にはぐれちゃった・・・・・・」


はぁ、とため息をつく。

祈りを捧げ、出店を回りだしたときは一緒だったのだ。

人の波にもまれるようにしながら歩いているうちにいつの間にか2人ともいなくなっていた・・・・・・。


どうしよう・・・・・・。

このままいても出会えないかもしれない・・・・・・。

もし沙夜が咲音のように楽観的な性格であったなら、このまま一人でも出店を回りそのうち再会もできたのであろうが。

沙夜はいちいち心配しすぎてしまい、結果失敗するような、そんな性格であった。


ふいに涙が溢れてきた。

皆が笑っているなか、一人取り残されたように思えて。

沙夜は木立の奥に歩いていって、膝を抱えて座り込んだ。


カミへと感謝し、守ってもらえるようお祈りしたのに・・・・・・。


「うぅ・・・・・・」


『決して日が暮れてから森に入ってはならぬぞ。魔ノモノが襲ってくる』



はい、沙夜って心配性ですねw

自分はどちらかというと咲音みたいな人です。

ちょっと補足を―――。

『』内の言葉は沙夜が里の長老から聞いた言葉です。

魔ノモノとは・・・・・・?

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