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沙夜の回想
祭りの夜―――。
ヒトもケモノも、モノノケさえもどことなく浮つくそんな夜―――。
カミへ感謝の気持ちを伝え、これからも守ってもらえるよう皆が祈る夜―――。
そんな夜ならば、普通なら有り得ぬようなことだって起こるかもしれない。
死者の魂さえ、この夜は出歩くと言われているのだから。
一人の少女と一匹の狐が言葉を交わしたとて、決しておかしなことではないのかもしれない。
けれど―――。
あれは夢だったのではないのか?
今でもそう思う。
なんたって、狐と言葉を交わしたのだから。
呪術師でも、異能者でもない、この私が。
いや、また連載として始めてしまいました(汗
これからちょこちょこと書いていきますね♪