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六月三十日のお題:『そうめん』

 きみのお箸が、それをきみの口元へ、まるで流れるように運んだ。


 夏になるときみが食べたがるこれは、夏にぴったりの食べ物だと思う。


 ちゅるちゅるって吸うように啜って、その束をまとめて口の中に放り込む。


 きみが幸福に表情を委ねた。


 そんな表情をされると、あたしまでうれしくなる。


 きみは、ほんとにおいしそうにそれを食べるんだね。


 焦らないで。


 誰もとったりしないから。


 ゆっくり食べてよ。


 もっときみの、その表情を見せてよ。

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