あたしからきみへの二百文字

ex：『花火』

　ひゅるひゅると昇って。

　ばぁんっ、と弾けた。

　また、ひゅるひゅると昇って。

　また、ばぁんっ、と弾けた。

　きみと手を繋いで見た夏祭りのフィナーレ、打ち上げ花火。

　大きな花びらが開いて、あたしと、たぶんきみもトリコになってたね。

　星ひとつない夜空に、小さな光の粒が星のかわりをしていた。

　色とりどりの花が咲いて、何度も歓声をあげる。

　子供みたいに無邪気に、きみは瞳に光の花を映してた。

　いつか、あたしが映る日は来るのかな。