あたしからきみへの二百文字

七月十四日のお題：『無理』

　目を深く瞑る。

　今更当たり前のように、きみが見える。

　見えるだけじゃなくて、その細かい鼓動のひとつひとつまで、しっかりときこえてくる。

　もうね、無理なんだ。

　きみのことを考えないでいるのは。

　絶対に無理。

　だってきみはあたしの、たったひとりの ――

　好きな人、だから。

　無駄な抵抗なんてしないで、きみといる幸せに身を委ねよう。

　きみのためなら、あたしはどんな無理でもできるから。

　―― できるはずだから。

　―― してみせるから。