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第六話「どんな悲劇も一晩中語り尽くせたら」

愛読している人がいるかは分かりません

遅れてすいません!

夜の部室、近くのコンビニでそれぞれの夕飯とお菓子などの買い物をすまして部室に戻った。

「君と観測するのは久しぶりだね」

「最後いつでしたっけ」

「4月の時じゃないかな」

「もう3ヶ月すか」

「そうだねぇー」

先輩は夜空を見ながら何かを迷っていた

「蒼人くん、君に伝えたいことがある。君がそれを受けて傷つくことを知っている。伝えてもいいかい?」

「覚悟ならとっくの前に決めたつもりっす」

「そっか」

先輩は移動して丸い机と椅子がいくつかあるところに言ってお菓子を広げた。

「おいで一緒に食べよう。月に1回なんだよお菓子を夜に食べれるのは」

先輩は( *´꒳`* )としていた。先輩はいつも真面目だ。他人よりも自分を考え、行事などでは友達や知らない生徒などのことを考えて最良の結果をだす。

「君なにかあったの?」

「なにかと言いますと?」

「いつもより君が見える」

先輩はトンガリコーンを人差し指にあて俺の心臓ら辺を指さした。

「どこから見えましたか?」

「全てだよ。蒼人君の言動全てがあまりにも君の演じる紗星蒼人らしくない」

「蓮司も気づいてました。あいつは長年の時間によって俺を見て判断して、茜先輩は俺の全てを見て判断したか」

「蓮司ならきっともっと前から気づいてたよ」

「あいつは多くを抱えすぎです」

「君がいうのは違うだろ」

「俺は全てを捨てました」

先輩はトンガリコーンを口に含み飲み込んでミルクティーを飲んだ。

「君が変わったのは釧路世良のおかげで間違いないかな?」

「わかりません」

「何があったんだい彼女と」

「世良には全てを話しました」

「何者なんだいあの子笑」

先輩は立ち上がって観測記録表をとって見ながら話を続けた。

「君が星香ちゃんと会ってから私のまわりはだいぶ変わったよ」

轟星香、俺の彼女は星が好きだった。お姉さんの名前が星奈、妹の名前が星海。三姉妹全員に星という漢字がついていた。星香は俺に「私たち結婚したら私名前に星がふたつも入ってるよ」とニコニコと言ってきた。

「俺が1番変わりましたよ」

「、、、そうだね」

「タイミングが良かったんです」

「白虎を潰した後でよかったよほんとに」

「いつもそこ3人は一緒でしたからね」

「楽しかったねあの頃は」

「先輩も作りすぎなんすよ」

「作ってる人間には分かるよなそりゃ」

「蓮司が可哀想だよ」

「そうだね、可哀想だよなあの子が」

「ま、欺くのとは得意ですもね」

「全国に導いた演劇部部長なめんなよな笑」

「これだから人間は怖いんだよ」

そう、この人も自分を作り上げた人間だ。俺に紗星蒼人という人間を演じればいいと告げたのもこの人だった。彼女は傍から見ればたくさんの人間に気を配ることのできる人間だ。だが茜先輩は違う。俺やすい姉、轟姉妹と蓮司。その6人をこよなく愛している。らしい。星香がいなくなってこのメンツで1番外れたのは俺ではなく茜先輩だった。

俺の思う熊崎茜という人間の本質は「普通」というものがこれからも続くということ。仲のよい人間達となるべく多くの時間を過ごす。喧嘩などもするのが普通だと考えている。茜先輩はいつも仲直りをさせる。俺と蓮司の白虎の戦いの際俺らをこっぴどく怒ったのは自分では止められない何かが起きてしまうかと思ったのだろう。

「君、トリガーを見つけられたんだね」

「トリガー?」

「釧路世良。彼女が君のトリガーだろ」

「私はきっともう戻れない。あのときのような熊崎茜に」

「俺だって戻れないですよ」

「感情が見えるよ。君の奥底から」

「戻ることはできません。だけど俺も先輩も変わることだったらできます。」

「私はもう変われないよ。君たちが殴り合ったとき、私は何も思わなかった。」

確かにおかしいとは思った。殴り合いを止めずそれが最良なんて言うなんて演じているにしてもおかしい。

「驚いてるねぇ。けどね、君なら分かるだろ。私の本質を知っているのだから」

自分がどうにかしても変わっていくならばもう自分自身からはなにもしないということ。現に先輩は変わらないように見えるけど、何もかもが変わっていた。誰かの喧嘩もないから今まで通りだし、言い訳だってできる。自分の敵を増やさない生き方にして変化を恐れた。

「変わるんだな、人間って」

「あぁ、変わるんだよ」

「今の俺らを見てあいつはどう思うかね」

「かえようとするだろーねー今の状況からなにかしら」

「自覚はしてるんだよなお互い」

「そりゃもちろん、けど譲れないよ」

「分かってるこの思いを大事にしたいことは」

「私たちの人間性的に星香ちゃんが死んじゃったことによって、大人にそして彼女の夢見た俳優になったんだよねぇー」

「これからどーする」

「私は星香ちゃんの夢を引き継ぐよ」

「そっか」

俺はどうする、そう聞くんだろ。自分で決めることが俺は苦手だ。

「君も私と一緒に星香ちゃんの夢を引き継いでほしい」

想像と違う回答が茜先輩からきて、本物の俺が反応した気がする。目を見開いて先輩をみた。

「君は得意じゃないだろ、決断することが」

「今の生きてる人間だったら、あんたが一番俺を分かってるよ」

「そうかもね笑」

夜空を見る雲ひとつなく無数の星が輝くなか月は俺らを照らしている。

「君のとりあえずの目標として私と有名になって彼女のことを世界に教えよう、彼女の死んだ理由を」

「とりあえずってだいぶ後な目標ですね」

「達成できるかも分からないけど」

「やるしかないですかね」

「君と一緒ならやれる気がするよ」

彼女が死んだ悲劇は彼女の夢を追いかけて彼女の思いを世界に伝え喜劇にする。俺の目標は俺の人生をかけて彼女の終わった人生を作る。

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