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第四話「決めた過去、選ぶ未来」

月曜日。いつものように起きて、いつものようにすい姉を起こして、いつものように朝ごはんを食べていつものように駅についた。すい姉とホームに降りるとそこには蓮司と茜先輩がいた。いつもは2人はもうひとつ遅れた電車で行っている。

「おっす!蓮司!」

蓮司達は俺らに気づいてこちらを向いて片手を上げ

「おぉ!おっす!」

「おはよぉー茜ちゃん今日はやいねぇー」

「おはよー今週は週直なんだぁー」

「蓮司は相変わらずと」

「うるせぇ」

電車が来て乗るとすい姉と茜先輩が話している後ろで蓮司が連絡をしてきた。

[おめぇなんかあったんか?]

[どうして?]

[なんか考え事してる顔]

[すげぇなお前。すい姉にもバレないのに]

[なにがあった]

[とある出会いが会ってな]

[だれだ?]

[他言無用と言われたから詳しくは話せない]

[わかった]

[これが白虎を潰したシスコンで素直で相棒思いのいい男。やっぱ俺の横にはおめぇだ。]

[殺すぞてめぇ]

[茜先輩に見せるぞ]

そうやって二人の方向を向こうとしたら茜先輩が

「ほーれお二人さんそろそろ着くよー」

「蒼人何してたの?いつもスマホなんて開かないじゃん」

「蓮司が進めた漫画読んでた」

「なんていうやつ?」

「なんだっけ蓮司」

「湘南爆走族」

「ふるっ」

「あいあーむミエロシヒツジスケ」

「蒼人くん蓮司大丈夫?クラスで一人じゃない?」

「大丈夫です俺が絡んで上げてるんで」

「ありがとう」

 すい姉と茜先輩は小学生からいままで全てのクラスが同じだった奇跡の親友。そしてなんかの因果か俺と蓮司もずっと同じクラスの腐れ縁だった。蓮司はもう誰かにというか一般的に悪いやつには暴力をふらなくなった。高校でもまだ誰も傷つけていな

い。

 中学生の最後の1年俺はあいつを1人にしてしまった。死んだあいつにもう暴力をするなと言われて蓮司にも説明して俺は足を洗った。死んでから俺はあいつとまた関わって手を染めようとした。蓮司は俺に“俺がそっちに行く。お前はもうその手を染めんな”そう言って蓮司はそれ以降足を洗った。

 電車を降りて改札を抜けると朝なのでスクールバスは混んでいた。いつも迷惑をかけないように朝は錦さんにはちょっかいをかけない。降りる時にありがとぉー運転手さんとすい姉はいつも言う。

 バスを降りて蓮司と1年の昇降口に行こうとしたら茜先輩が

「お二人さんっ今日部活これる?新しく入部したい子が来たから」

俺と蓮司はお互い目を合わせて

「「りょーかっい」」

そう言って昇降口に向かった。


「あいつらほんとに息ぴったりだねぇ」

「私たちより付き合い短いってのにね」

「色んな場面であのバカ二人のあいつらは一緒に乗り越えてきたしね」

「私たちが作った最強のコンビだよ」

「あぁ失敗作だったな」

「そ、失敗作」

そう言って茜は水菜を見た。水菜も茜をみて

「いっこか」

「そだね」

そう言って彼女らも昇降口に向かった。


 教室の扉を開けてエアコンの当たる真ん中の後ろの方に座る。蓮司は俺の後ろに座り決まってすることは寝ること。男子高校生らしく俺はねる。はずだった。今日の週直は俺だった。連絡黒板には進路資料冊子×40、ミニテストの答案、新聞、夏休みのしおりの紙40×7、、、めんどくさ。教室には朝の準備が終わって寝ようとした蓮司しかいない。蓮司の落ちる頭を止め手伝えと言って教室を出て集配棚に行く。集配棚に行くとそこには世良がいた。世良は俺より早く気づいて

「あっ!蒼人くんおはよー」

「おはよ」

「今週週直なの?私もなんだぁー」

「誰?」

蓮司は俺に聞いた

「先々週の土曜に駅でナンパされました!」

「やめろその言いがかり」

「蒼人やっば」

「あのなぁー」

「で、お前はだれだ」

「1年5組釧路世良です」

世良は蓮司の自己紹介をワクワクして待ってた。誰かをまだ知らないから。

「ほれ、お前もしてやんな」

「こいつ俺の事知らないの?」

「バカだから」

「なるほどね」

「蒼人と同じ1年6組熊崎蓮司。よろしく」

世良のさっきのワクワクしていた顔は今は口がぽかんと開いている。

「蒼人さん、この人が?」

「そだよ笑」

「何がだよ」

世良は蓮司の手を握りキラキラした目で

「友達になりましょう!」

蓮司はちょっと照れた赤い顔で俺をみて

「なっ、なんだよこいつ」

「バカ同士だし友達なれば?」

「これからよろしくお願いしまっす!」

「はっ?俺は何も」

「蒼人くんこれ手伝って下さい非力だしあれだし」

あれと言うのはきっと心臓病のことだろう。あまり負担をかけたくない。多分俺らの荷物もめんどいと思っただけで蓮司や俺なら1人で持ち運べるぐらい

だった。

「蓮司俺らのやつ頼めるか?」

「なんでだよ」

「こいつバカで非力だから」

「ありがとぉー」

そう言って世良はミニテストと新聞、夏休みのしおり3部もって

「あとはよろしくです」

とぺこりと頭を下げた。

ダンボールに入った進路選択の冊子の上に夏休みのしおりを4部置いて持とうとしたら蓮司が

「運ぶから上に置いてくれ」

と世良に頼っていた

「しょーがないなぁー」

とにこにこしながらダンボールをもった蓮司にどんっと1つずつ置いていく。

「おめぇは何ものなんだよ」

「蒼人くんと最強の蓮司くんのお友達ー」

「俺はまだ認めてぇよ」

「私の事今頼ってくれたじゃーん」

蓮司がこんなに丸め込まれてるのはすい姉と茜先輩以外に見たことがない。茜先輩には反抗ができず、すい姉は責めると茜先輩からいろいろある。世良の場合は何もないけど蓮司は苦手なタイプだ。蓮司は俺に近づいて

「お前やばいやつに話しかけたな」

「茜先輩とはもう会ってるよ」

「は?何してくれてんねん」

「仲良さそうだったよ?」

「俺が無理なんだよ」

「どんまいどんまい俺との仲もそうだったろ」

「お前は、ちげぇんだよ」

「そりゃどーも」

蓮司は教室に荷物を置きに帰った。俺と世良は1つ隣のところまで歩き中に入るともう生徒が半分はいてほとんどが女子だった。黒板の前の教卓に新聞としおりを置くのでダンボールを下に置く前に

「世良、上のしおり置いてくれ」

と言うと周りの女子が世良の周りに集まって

「なんで副会長と!?」

「どうしてぱしってんの?」

「ってかなんで呼び捨てなの!?」

と世良は人気者なのか色んなやつが集まって俺との出会いに質問してた。世良はそれを気にせず俺の方を顔体足と見て何かを閃いたように

「蒼人くんもてるでしょ!」

何を言いだすかと思ったら

「中学も高校誰からも告られたことねぇよ」

「うっそだぁー」

「早くしおりとれ」

「あぁごめんこめん」

世良はしおりを取って教卓の上に置く。俺はダンボールを下に置くと周りの女子は俺に

「彼女とかいないんですか?」

と聞いてきた。誰だろと思う前に、俺の彼女はあいつだ。まだ別れた気ではいない。けど、死んだと言っても俺の印象とこのクラスの雰囲気が悪くなってしまう。

「大切な人ならいる」

「だれだれー?私ー?」

「これではないです」

「了解です!」

と女子達は俺の前にいる世良を引っ張っていった。

「それじゃ、きょーも良い日をー」

と生徒会の蒼人らしく教室をでた。そして家のクラスに戻るともう寝れそうな雰囲気じゃないけど俺は寝ようとした。机にうつ伏せになっている蓮司は

「あいつか?出会いってのは」

「まぁーな」

「めんどくさいのに絡みやがって」

「蓮司苦手なタイプでしょ」

「そーだよあんなのと長い時間いたら頭バグるわ」

「ハッハッお前は元からバクってんだろ」

「おめぇーもな」

話すことがなくなったと二人が思えば

「「おやすみ」」

そうやって意見が重なる。

「おいっ!寝るなーホームルーム始めんぞ!」

と先生は俺らの睡眠を妨げた。

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