第二話「思い出したい過去」
前回のあらすじ
初対面の子とコミュ強な姉妹がマックに行くところです!
図書館を出て校門の近くのバス停に行く。2.3分待ってたらいつもの運転手さんがきた。バスに乗るとすい姉がいつものように
「運転手さん!マックまで!」
「タクシーじゃぇよ。あと名前で呼べや」
「名、前?」
「駅までおねがいしまーす。運転手さん」
「おまえら降ろすぞー?」
「金は払ってるんで」
「はいはい、速く席座れ」
「あーい」
という、紗星姉弟で俺も楽しんで話してる大人が運転手の錦木さん。下の名前は知らない。呼びにくいため、運転手さんと呼ぶけどこれもまた言いにくい。だけど、ツッコミをいれてくるのでわざわざそう呼んでる。たぶん錦木という名字をすい姉は覚えていない。世良も楽しそうに見てたけどまぁ、知らないだろう。
駅についてバスを降りてマックへ向かう。そこのマックには天文部の先輩が働いてる。席とっておいてと二人を向かわせ並ぶ。注文はさっき聞いてちょうど先輩がいたので先輩に頼んでレジを済ませた。
今日は臨時でバイトを入ったらしくそろそろ終わりらしいので、一緒に勉強するというのですい姉にも言ったら案の定許可をえた。先輩はすい姉と同等の知識量プラス天才気質なので、別に勉強なんてしなくていい。まぁ、教えるのがすい姉と比べて断然に上手なので俺としてはありがたい。
世良と一緒に番号を待って二人でもっていくときに世良には説明をしたのでいいけど、先輩にどう説明しようかは決めてないけど、すぐに馴染むと思う。
先輩の名前は熊崎茜。茜先輩には弟がいて俺と同学年で俺の相棒。とりあえずすごい強く俺と同じ正義感がやつにはえぐいほどある。そしてシスコンである。敵にまわしたらほぼ勝てない。熊崎蓮司。まぁ、すい姉と茜先輩が幼稚園から仲が良いのでそりゃ俺らも仲がよくなる。
茜先輩が私服で嬉しそうに手を振ってきた。男女3:1。と気まずいので蓮司を呼ぼうか少し思った。けど茜先輩が可哀想なのでやめておく。
世良は課題の6割が残っており、ほとんど消化に時間を使った。ところどころわからないところがあると茜先輩が教えていた。課題をとりあえずすべてやらせて今日一日は終わった。ってかちゃんと勉強してた。
帰り道すい姉と茜先輩が話してるとき俺の横には世良がいた。世良は少し背伸びして口を耳に近づけて、
「蒼人くん。今度先輩とあってくれる?」
「わかった」
「ありがと」
電車に乗り空席が3席あったので3人に座らせ。荷物をすい姉に持たせ前に立った。その日俺は眠るのが遅くなった。
朝四時半。目が覚めた。家族も全員寝ている。リビングにいって、コップに水を組んで喉に通す。外の街灯がカーテンの間を掻い潜って灯る暗闇のなか俺のスマホが光った。
[蒼人さん。今度の日曜日空いていますか]
[こんな時間に送ること?w]
[既読早!私の連絡待ってました?w]
[テスト終わってるし空いてるよー]
[無視しないでくださいw
午後一時にここのカフェこれます?]
そのしたにカフェのURLが貼られた。
[わかった]
[起こしてしまったらごめんね。おやすみなさい。]
[寝れなかったから、起きてただけだよ。おやすみ]
[これから寝る予定は?]
[ないよ]
一,二分がたって
[少し話しても大丈夫ですか?]
俺も少したって
[大丈夫だよ]
[電話いいですか?]
[りょうかいです。ちょっと待ってください]
コップにもう一杯水を注いで部屋に戻った。イヤホンをつけてベッドに座る。
[準備できました]
[なんのですかwかけまーす]
《もしもーし世良でーす》
《えっと、蒼人です。》
《知ってまーす》
《殴りますよ》
《ハッハッ殴ってごらんなさいなw》
《寝たんですか?》
《寝れるわけないじゃん。あと数年の命を少しでも満喫しなきゃ》
《初めてです。こんな時間に人と話すのは》
《初体験もらっちゃった~》
《今日というか昨日初対面ですよね》
《私は君のことずっと前から知ってたよ?》
《そうですか、それはごめん》
《おぉ、謝って欲しい訳じゃないからね!!》
《分かってる、心から謝っていないから》
《感情あるの?》
《ないよ》
《そっか》
少し時間が空いたと思う。
《私さ中学二年生の時に心臓病って言われてさ、めっちゃ泣いたんだよね。中学一年生の時におばあちゃんが死んじゃってすごく悲しくて、けど一、二月たって、おじいちゃんの家に元気ださせるために行ったときにはもう頭の中でおばあちゃんはいないものとして行っててお線香をあげて、あれ?お葬式でのあの無念でなにもできなかったことへの悲しみはどこに行ってしまったんだろって思ったんだよね》
一口水を飲んだ。音をたてないように。
《心臓病を言われたときにさ、死ぬよりも死んだあとに忘れられるのが怖くて嫌なんだよね。誰かの記憶にずっと残っていたい。私がいないことが当たり前だと思われるのが怖いんだよね》
世良の声は少し震えながら少しかすれてもいた。
《俺の》
言葉が詰まる。一言でも話したらその話はしなきゃならない。
《俺の彼女は半年前交通事故で死んだ。》
《えっ》
《彼女が死んで俺は自分の無力感のあまりに学校を数日やすんでなんも食べなかった。そんで葬式に行って死んだ日に流した涙と同じくらい涙を流した。》
水を今度は少し聞こえるように飲んだ。
《俺は昔は明るいやつだったし結構無茶してヤンチャもしてた。いろんなやつに話しかけて友達になって仲間を作ってカラオケに行ったりボウリングいったりしてた。》
世良はだまって聞いていた。俺は世良を落ち込ませたい訳では無い。
《彼女が死んでから俺は今まで関わった人もいつか死ぬとか考えたら人との関わりは親密ではなく軽いものだけになっていた。茜先輩や他に数人の人間だけくらいだよ。そのくらい1人の人間の死は1人の人間をこんなにも変えるんだよ。すい姉がいつも明るいのと俺にくっつくのは俺が死なないようになんだよ》
《どっどういう、ことですか?》
《特になんもないよ。ただすい姉は生徒会長なんてもん昔ならやらなかった。俺の彼女が俺の中学では生徒会長だった。そして優等生。すい姉は自分なりに死んだあいつに近づきたかったんだと思う。茜先輩とすい姉と死んだあいつはいつも3人でいたから》
《なんかごめんなさい》
《謝らなくていい。俺がこんな話したのは蓮司くらいだな。話したいことあるからって電話してくれたのに俺がめっちゃ話しちゃった。ごめん。》
《いえ、なんか。思い出したくないこと思い出させてしまったかもしれません》
《思い出したいよ。いつでも。そして話したい。ありがとう。》
《初対面ですよね》
《うん》
《君が言いたかったことが分かったよ》
《それはよかった》
《蒼人くん。私たちこれから仲良くできるかな》
《わからない》
《寝れそうですか》
《さぁね》
《寝落ち通話でもします?》
《明後日からテストだけど》
《嫌なこと思い出させないでください》
《せっかく茜先輩とすい姉が教えてくれたんだから上位とんないとだよ?》
《蒼人くんって仲良くなった子虐めたいタイプ?》
《死んだあいつにはしなかったよ?》
《ふーん》
ちょっと拗ねてる感じだった。
《むしろされる方が多かった》
《それ知ってるのって誰?》
《すい姉と茜先輩と蓮司》
《さっきも聞き間違いかと思ってスルーしたんですけど、蓮司ってあの蓮司?》
《どの蓮司?》
《中学時代に高校生のチンピラの集団を抑えたって噂の人》
《うんそだね》
《2人組って聞いたんですけど、蓮司くんの相棒はもうそれ以降顔をださたなくなったって》
《俺だね》
《もしかして怖い人?》
《あいつと付き合う前だったから》
《その先輩と会って変わったんだ》
《まぁ、そんなとこかな》
《蓮司くんと蒼人くんはどっちの方が強いの?》
《いややったことないけど、たぶんやったら同等だしすい姉と茜先輩にバレたら半殺しにされる》
《えっ!そんなに先輩も強いの?》
《いや、俺らが抵抗しないだけ》
《どうして?》
《俺らが白虎を潰したのはあいつらが一般人にも迷惑かけてたから潰しただけだ。ヤンキーならヤンキーで終わらせろってこと。しかも女相手に暴力はしないから》
《いい人だ。けど、内緒にした方がいいよね?》
《うん、頼む》
《わかった。心臓病との交換条件ということで》
《そうだね》
《初めてだよこんなに誰にも話さなかったことを話した相手は》
《しかも初対面だしー》
世良は楽しそうに笑っていた。
《世良》
《なにー?》
《明後日テストだよ》
《あ゛ぁぁぁぁぁ》
《いい声出すねぇー》
《最低だねぇー》
《そりゃどーも》
《褒めてないよ?》
《その秘密の先輩は高校どこなん?》
《私たちと同じだよ》
《そうなんだ》
《眠くなってきた》
《寝る?》
《寝たいです》
《わかった。おやすみ》
《おやすみなさーい》
お互いに、色々な新しい情報が頭に多く流れてきて世良は昼間も勉強してあて疲れていたと思う。俺も普通に眠くなってきたし明日は日曜日。ってかもう今日か。明日からテストだけどテスト中こそ寝てしまったらダメなので沢山寝て勉強をしないといけねぇなとかいろいろ考えてる間に俺はベッドに行って眠りについた。
という訳で第二話「思い出したい過去」。読んでいただきありがとうございます。
これは実際第一話に続けて書いていたのですが、長すぎて分けたのですが第二話ではもっと文章を書かないと第一話と比べて減ってしまうとかいろいろ考えて、新しい設定とかも付け加えたりしました。
というか最後会話の部分ほとんど高校生の私です。笑
今の時代にチンピラあるのかよって思ったけど、いたんですよね私の学校。笑
次はたぶん共通者とのお話だと思います!
来週の月曜日更新予定!