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「さみしいね」など

接ぐ

作者: 維酉

百億年まえの

金木犀のにおいを

あなたと知りたいとおもう

幾度となく接がれた

歴史というはりぼてな樹でなく

ずっと遠い時間に、まぼろしのにおいに

あなたとたどりつきたい


金色の夜は長く

隕石がもえつきるような色をしたネオン

きっとあなたもそうだとおもう、

語ることばをもたない瀝青の底に

旧時代の花たちが、かぐわしく

明日を夢むのを知った


死はいのちとともにあり

花は棺とともにある

瀝青が覆いかくす旧い慈悲と、血濡れの愛が

めぶき、花を咲かせ

樹となり

接がれ

百億年のち

わたしたちになった


肉という肉を接ぎ

ひかりというひかりを接ぎ

たましいというたましいを接ぐ

情愛と、友愛と、性愛を接ぎ

歴史という歴史を接ぐ

わたしたちはなにも誤らず

愛のままにくちびるを接いだ

そして死に

透明な花とともに接がれ

瀝青のしたに眠るときは

百億年まえの

あのかぐわしいにおいに融けあえる


息を接がなければ

あなたと

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