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第0=24 13話 何処へ行っても其処は現在
夜中の時間をゆったりと過ごす。
世界の裏はまだ前日で、昼食の時間だろうか。
……。
この世界はとても奇妙だ。
同じ空間の中に二日存在している。
太陽と月によって時間が定められた世界。
日付変更の基準となる線が存在し、そこは日と日の境界線。
今日を過ごしていても、そこを跨げば昨日へと行ける。
反対に、今日を過ごしている人がそこを跨げば明日へと行ける。
でも、そんな事をしなくても、結局、どこにいてもそこには現在がある。
同じ世界にいる生物達は、皆同じ時間を過ごしている。
そこが昼であっても、そこが夜であっても、そこがまだ昨日であっても、そこがまだ明日であっても、そこは現在だ。
全生物は明るい場所と暗い場所が周り周る空間にいる。
知能を持つ生物は、そんな空間の中で、時間と暦という概念を生み、昨日と明日を生み出した。
世界の反対側はまだ昨日で、世界の反対側はもう明日。
そんな奇妙な概念が当然となっているこの世界が、とても奇妙で、とても面白い。
──異世界からやってきた存在によるこの世界への所感。