狂楽
さぁさ歩んだ気狂い道。共に歩まぬ者は愚かだよ。
もっと寄っておくれよ。でないと酔えないじゃないか。
チキチキドンドン。チキチキソロソロ。
ぽんぽこぽんと腹鳴らす貴方、姿は狸かはたまた置物か。
もっと見ておくれ。でないと姿は分からない。
もっとじっっっっと、もっと寄るんだ。さぁさ、こちらへ。
酔い醒めぬ内にパッパと歩こうではないか。君はまだ飲兵衛じゃぁないんだろう。
ならさ、ならよ。もっと寄れるだろうよ。僕によ。その足は何なんだい?鳥じゃなかろうて。
ソロリソロリだ。ソロリンリン。リンリン鳴る鈴はこちらにあるよ。
ほら、それで熊も怖くない。
なんだって? 山には行かないだって?
馬ぁ鹿言っちゃいけねぇ。山なんぞに熊は居らんよ。何を見てきたんだい?
もっと世を見るんだよ愚か者。それとも何か?酔ってないと何も見えないってのかい?
さぁさ寄るんだ。飲まずとも呑まれなさいな。
さぁ!歩んだぞ!気狂い道!私は歩んだ!僕は歩んだ!気狂い一匹ここに生誕だ!
さぁ祝えよ!呪えよ!ここでもって僕は歩みだす!
何も感じぬ馬鹿共は黙して見てろよこの人生を!