親について少し、
両親について少し話そうと思う。
私の父は会社員だった。
会社で何をしているかは分からないが出張もそこそこ行ってたし、19時半前後に家に帰ってきて、テレビを見ながら過ごして、そして土日は必ず休み、バイクで銭湯へと出掛けるのが趣味の極一般家庭の普通の父親だ。
無口だが根は真面目で良い人なのだろう、
私と交わす言葉は1日に多くても片手で数える程度、一言も声を聞かずに終わる日だって少なくはなかった。
昔から怒ると手が付けられなかった、何度も理不尽な事で叩かれた記憶がある。
例えば、『ドアを閉めるタイミング』『疲れていて風呂のスイッチを押し忘れた』『友達との待ち合わせに少し遅刻したから急いでいた』。
涙を浮かべながら学校へ向かう時も少々あった、姉も私も恐怖していて"抗う"という術は無いに等しく。姉は二十歳、私は高校生ながらに"親の機嫌取り"をしていた。
テストの点数がいつも悪かった。
頭が悪いのはどうも治らない、勉強をしたって良くならない。
先生の教え方も悪い、だって分からないものは分からない。
テストが終わっても三者面談が終わっても家で私が言葉を口にする事は「ごめんなさい」以外なかった。
母は公務員をしている。滅多な事で私に怒ったりしないがやはり学校の事で怒られることはあった。
習い事も練習しない、と決め付けられた。
塾も宿題をしない、と決め付けられた。
昔から決めつけられてばかりだった。
"勉強が得意じゃない"、
"趣味がない"、
"人付き合いが苦手"、
"何も出来ない"。
最後のは幻聴かもしれないが、幼い私は暗い廊下からドアの向こう側の明るいリビングで確かに聞いたのだ、「何もできない」と。
ドアを開いて、明るいリビングを見た。
笑ってこちらを見る母親と、父親と、姉。
趣味も、気持ち悪いだとか、変だとか、オタクだとか。
散々な言われようだった。
オタクなんてどうせお前らも何かのオタクの癖に。
そう言うと「オタクはアニメとかがうんたらかんたら。」なんて言うけど、今の時代はオタクに明確な定義は無いし広い領域のファンの事を言ったりもするから本当に頭が弱い人だと常々思う。
結論、何が言いたいかというと。
私みたいな奴も居るってことです。
親孝行して、親を介護して看取って終わるみたいなの嫌なんです。
親に縛られたくないし、出来るなら親と一生関わりたくない。そんな人もいるんです。
今は多分親がいて楽しいこともあるけど、絶対すぐに新しい"楽しい"が産まれるんです。
だから「親孝行しろ」とか「親を労われ」とか本当にそういうのやめて欲しいんです。
放っておいて欲しい、私の場合嫌いな人って一生好きになることは出来ないんです。
だからもし「あいつも良いところあるよ」とか言ってる人とか、いじめた奴が更生したから偉い!とかなんか色々履き違えている人は1回赤ちゃんに戻ってほしいです、不愉快なので。
人はみんな違うんです、みんな違うから人間って素晴らしいと思うんです。