ディオグラディティの個人行動
大学の北東では、エースが空中を飛び交い、ガンマンたちを一掃していた。
彼の肉体は、未だどの攻撃にも、傷一つ付けられていない。
「エース・クラッシュハンマー!」
拳一振りで砂漠がカーペットのように翻る。
ガンマンたちおひとたまりでもない。
ゴッサムも戦闘服に着替え、ガンマンたちを隠密行動で始末していく。
太一はグレンシアとの戦いを元に参戦したが、ガンマンたちの銃撃戦はその経験値を上回っていた。何もできずに隠れて逃げるだけだ。
試しに一度フィガーを発動して、空をジェットエンジンで飛び立ったが、あっけなく打ち落とされていた。
「こいつら強すぎるだろ。エクレツェアってこんなとこだったのか!?」
太一はエクレツェアの人間との実力差を感じてた。
すると、大学のドームから、よしきが飛び出てくる。
「Xバースト!」
抑えきれないほどのエネルギー砲を、リズミカルに放出しながら、空を飛んでいた。
エースは彼を見て、
「私に劣らない変態だな」
●って、そんなこと言っとる場合か。
しかし、そうこうしている間に太一が敵に囲まれてしまう。
ガンマンたちは皆カーボーイの姿。
一斉に銃を向けられ、誰が撃っても、致命傷は避けられない。
先ほど、すでにフィガーでの飛行は打ち落とされている。彼らに太一のフィガーでははが立たないのだ。
そうなれば逃げるしかないのだが、それを考えさせる余裕を与えるほど、ガンマンも愚かじゃない。
彼らは一斉射撃した。
ズババババババ、と洗車からガトリングを連射しているような騒音に包まれる。
太一もさすがに死んだと思った。
しかし、砂埃が舞い上がるだけ、太一には傷一つない。
それどころか、
「よし、始末したぞ、次を急げ!」
ガンマンたちは、太一を倒したと思い込んで、次の標的にかけて行った。
「一体どうなっている?」
その時、後ろから肩に手が置かれた。
「やあ、太一くん」
「誰!?」
「僕だよ、ディオグラディディさ」
彼は優しげな顔を崩さず、この戦場の中で彼に笑ってみせる。
「君はまだ新人くんなのかな? 今のは危なかったよ」
「あ、はい。すみません。でもどうなっているんですか?」
「それ見て」
ディオグラディティが指差したのは。太一の足元にある、太一の姿の遺体だった。
「えぇ!? 俺もしかして死んで幽霊になってるのか!?」
「違うよ、これはホログラム。偽物の遺体を転がして、君と僕はグラフィックの中に隠れたんだよ」
「グラフィックの中?」
彼が右手を見せる。そこにはフィガーのような腕時計型の機械が付いていた。
「グラフィックコントローラー。これがあれば忍法隠れ蓑術が使える」
「忍法ってそんなアナログな」
「知らないのかい? 最先端技術は古来の技術を進化させたものなのさ」
ディオグラディティは偽物の遺体を操作一つで消した。今度は操作一つで戦車が現れる。
「じゃ、僕はこれに乗って暴れてくるよ」
「そんな! あなたは護衛対象でしょ!」
「じゃあ、守ってよ。君にそれができるならね」
太一は痛いところを突かれて苦笑った。そのままディオグラディティを見送る。
確かに、今の太一にはこの戦場のレベルは高すぎた。これじゃ、詠嘆のエクレツェアを注ぐのはいつになることやら。
なんとかしてあげないとなぁ。




