トレーニングルームへ
「太一の捜索は随時進めるが、お前にはそれが終わるまで弟子として仕事もしてもらうからな。ま、無茶は言わない。今日はまずトレーニング施設の紹介からだ、アキに連れていってもらえ」
よしきがアキに太一とマリを任せてその場にとどまりながら光の粒子を動かす。キシヨを探しているのだ。
あきは、また髪の毛を揺らしながら太一とマリを手招いた。
「こっちへ来い」
そうやって粒子をかき分けて部屋を出ると、これまたSFでしか見たことのないような科学的な装置が並ぶ綺麗な部屋に出た。
奥には見慣れない時でトレーニングルームへの道標があった。
あきは、その隣の背もたれのない丸椅子に座ると、ぞんざいに机の上を漁り、音叉のくっついた機械を取り出す。
「太一、こっちに来い」
またしても指で手招きすると、彼の腕を掴み、彼の武器である腕時計型の兵器『フィガー』を手繰り寄せる。
「いったい何をするんだ?」
「まあ見てろ」
太一の疑問にあきは、行動で答えた。
リーンと音叉を鳴らしてフィガーに押し当てる。すると反響して隣のモニターに音波が観測される。最初は不協和音を奏でていたが、それはギターをチューニングするように調和し、一つの音程になった。
あきが、自慢げに、
「私のチューニング技術はこの国一番だ。ベストコンディションにしてやったから、フィガーの扱いには気をつけろ。軽く暑かっただけで家一軒は消し飛ばせるからな」
マリはその突拍子もない破壊力に驚く。
「待ってください! その兵器はそんなに威力があるのですか?」
あきは、済まして、
「知らなかったのか? 使いこなせば惑星くらい簡単に壊せるぞ」
太一も混乱気味だ。確か、ジークがいっていた時は山一つ消し飛ばせる威力だったはず。どうもエクレツェアに来てからというもの、スケールの桁が変わった。
「では、トレーンングルームに案内しようか」
あきが彼らを連れて部屋の奥へと進んだ。




