メッキール王国の異変
その後3日間のメッキール王国までは道のりは
とても順調にすすんだ。
このままのペースでいけば今日の昼頃にはついてしまう予定らしい。
「ナツはかなりセンスがあるな!こりゃあ教え甲斐がある、1回技を見せただけでほとんど完璧に盗んじまう」
二匹のボアウルフとの戦闘を終えた自分に
リオンさんはそう声をかけてくれた。
「いや!リオンさんの指導がとてもわかりやいんですよ。自分はもともと何をやっても才能という言葉からは縁のない人間なんで!」
笑いながらそう言うと、リオンさんは
「そうか?」
と言って右手で頭の後ろをかいていた。
「いやナツ、その言葉は素直に受け取っていいと思うぞ、この3日間でのナツの成長には本当に驚かされる」
後ろで見ていたネネさんまでもが褒めてくれた。
なんだか嬉しいな。
こんなにまっすぐに褒められたことがなかったから、
どんな反応をしていいのかわからなかった。
この3日間の戦闘の中で
この世界に来てからの自分の変化に気がついてきた。
まず1つ目に、かなり目が良くなった事
リオンさんやネネさんがどんなに早く動こうが、
腕の、脚の付け根から指先に至るまで
鮮明に捉えることができる。スローモーションになっているわけではないのだが、多分避けようと思えば
避けられるだろう。それほどまでに鮮明に動きが見え
次の行動が予測できる。
ただまだ、自分には駆け引きや技が足りないから
避けることはできるが、攻めることに関しては
からっきしだ。
その他にも体内の魔力の動きなども蒼い炎としてはっきりと捉えることができる。
このお陰で、魔法等も一度見たことのあるものは、
その炎の流れる様を自分の体の中でイメージをすれば、
呪文を知らなくても使うことができたり、体術なんかの技も一度見ただけでほとんど完璧に再現することができた。ただし見たことがない魔法は行使することができなかった。
2つ目に、モンスターを倒していくごとに
自分の、力や速さがだんだんとあがっていってる気がする。これについていえば、地球にいた頃と比べると
比にならない強さになってきてると思う。
別にマッチョになってきているわけではないのに…
なんでだろう?
その他にも何かあるような気がするけれど
いま気づいてるのはこんなところだろうか?
「ナツ、あの丘を越えればメッキール王国が見えてくるはずだ。」
そうリオンさんは丘のてっぺんを指差して言った。
「ワクワクします!メッキール王国はどんな国なんですか?」
「メッキール王国はたくさんの商人や冒険者であふれかえっている大都市の1つだ。色々な装備や商品が流通していて、かなり賑やかなまちだ!俺の妻も各国の名産品を一箇所に集めて売る仕事をしてるんだ、だからパンロプ村とメッキール王国の間を行ったり来たりしているんだり」
奥さんと会えることを相当楽しみにしているのか、
リオンさんには珍しくワクワクした様子で
教えてくれた。
「ほらもうすぐ見える……ぞ?」
先に上がったリオンさんの顔が険しくなったのが見えた
自分も急いでかけ上がって様子を確認すると
メッキール王国と思われる城壁の中から
黒煙が上がっていた。