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最強の先にあるものは  作者: 鍛冶屋
8/10

メッキール王国までの道程 ➀

「おお!ナツ、ネネおはよう!昨日の夜はよく眠れたか?」


「おはようございますリオンさん!リオンさんが励ましてくれたおかげで、昨日の夜はもう、ぐっすりでした!

ありがとうございます!」


そう言うと「よせよ!」と言いたそうな顔で笑っていた


「おはようリオンさん、待たせてしまったかい?」


「いや、俺も今ついたところだ」


3人がそんな会話を交わしているのは、

昼下がりのパンロプ村の門の前だった。

昨日の今日で決まった、メッキール王国までの同行だったので、食料や装備品の準備のために

午前中だけリオンさんに時間をもらった。


午前中買い物をしていると


「これは、昨日、ナツの事を危険な目に合わせてしまったお詫びだ、それとパンロプ村のまでくる時にその靴だと歩きにくそうだったから……、

良ければ履いてくれないか?」


と、そう言ってネネさんが黒いブーツを手渡してくれた。


もちろん、最初は断っていたが、ネネさんがどうしても受け取ってほしいと言ってくれたので、

ありがたく頂くことにした。

自分でお金を稼げたら、絶対にお礼をしよう。

そう心の中でつぶやいた。


その他にもパンロプ村からメッキール王国に着くまで

大体3日はかかる、との事だったので

そこそこの食糧も買い込んで、

午前中が終わり今に至る。


「よし!それじゃあ行ってみるとするか!」

リオンさんの号令で自分達は、メッキール王国へと

草原の中を歩き始めた。


しばらくすると急に草の中から

ゴブリンが2体飛び出してきた。


「ギッ、ギギィ」

全くもって愛らしくない顔を横に傾け

今にもこちらに襲い掛かりそうだった、

すぐさま3人は戦闘態勢に入り、

ネネさんが誰よりも早く迎撃に入ろうとした瞬間、

リオンさんが、


「ネネ、少し待ってくれ、ナツに武闘家としての

戦い方を見せてやりたいんだ!」

そう言い、手にはめていた皮のグローブを

きつくはめ直した。

それを見てネネさんは

「もちろんだ!」と微笑んで返事をした。


ちなみに今のリオンさんの格好は、昔の冒険者時代の格好で、魔法騎士?のような格好だった。

膝まで伸びる長いコートに膝下まで長さがあるブーツを履いていた。


「いいかナツ、武闘家はこうやって戦うんだ」

そう言い残すと凄まじい速度でゴブリン達の目の前に

飛び出した。そんなリオンさんに驚いて

ゴブリンコンビはすぐさま棍棒で反撃に出てきた。

リオンさんはそれを、必要最低限だけの動きだけで避けて、一匹目のゴブリンの頭を回し蹴りで蹴り砕いた。


仲間を殺され怒った残りのゴブリンは、

何振り構わずリオンさんに襲いかかった。

しかしそんな感情に流されて戦うゴブリンにの攻撃を

元Aランクの冒険者が避けられないわけもなく、反撃を避けた後に、すかさずリオンさんは指を握り、拳を作り

容赦のない、とどめの一発を顔面にお見舞いしていた。


「すごいっ!」

わずか3秒くらいの間の出来事だったが、

それだけで、リオンさんがどれだけ優れていた

冒険者だったかと言うことがわかった。


しかし、ここでも不思議な事が起きた。

リオンさんの戦いを一目見ただけで

接近戦における立ち回り、足捌き、技、などがよくわかった。その他にもリオンさんは魔法を使っていなかったはずなのに、体の中で蒼い炎が全身を駆け巡っていいたのが見えた。


「なんだろう?この感じ、前にもゴブリンに襲われた際にこんな感じがした時がある。この世界に来てから目が良くなったのかな?」


そんな事を考えていると、

戦闘が終了したリオンさんとネネさんが戻って来た。


「お疲れ様です!すみません、動けなくて」

そう謝ると


「気にするな、それよりナツが良ければ、先頭に立ってモンスター達と戦ってみるか?実践あるのみだかんな!

やばそうだったらサポートもするし!どうだ?」

と髪をかきあげながらリオンさんが言ってくれた。


もちろん自分も守られているだけではなく、とりあえず自分の身は自分で守り、後々は、誰かを守れる位強くなりたかったので、その提案を受けさせてもらった。


「よろしくお願いします!!」


「おう!任された」

そう笑いながらリオンさんは自分の胸に拳を当ててきた


その後メッキール王国への移動を再開させた。


移動途中にリオンさんと会った日から気になっていた事を聞いてみたり

「でも、なんでリオンさんはこんなに自分によくしてくれるんですか??」

そう不意に尋ねると、

リオンさんは遠くを見るような、黄昏るような目をして


「昔の親友に性格がそっくりなんだ、

だからナツをに会って話した時から、なんだか放っておけなくてな」

と教えてくれた。



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