世界の仕組みと上目遣い
ネネさんが向かった方向に走っていると、
見回りに行ってくれたネネさんも
小麦色の肌に汗を垂らしながら
向こうから走って来た、
まだ少し遠くにいるネネさんをみて
ネネさん、汗をかいて、息が上がっていて
なんだか色っぽいなあ……
ダメだ!!男に囲まれて仕事をしていた自分にとっては刺激が強すぎる…
だんだん近づいてくるネネさんを直視できなくなってきた。
そんな事をしていると目の前まで来たネネさんが
「ナツ!?どうしてここに?ダメじゃないか、あの安全な場所から動いちゃ、何かあったのかい?」
「い、いやっ!ナニモナカッタデスヨ……」
ドキドキしているmyハートを落ち着かせながら
とりあえずあの魔法の事は黙っておこう、そう思った。
しかし、自分は思っている事が自分で考えてる以上に顔に出てしまっていたらしく、ネネさんに
「本当かい?」
と顔を下から覗き込んで真剣な上目遣いで見られてしまった。
心臓が爆発するかと思った、こんな綺麗な人の上目遣いは一種の精神攻撃だよ!
真剣に問われてしまうと、自分は昔からの性格で
嘘を突き通す事が出来ない。トホホ、情けない
「実はですね……、ネネさんが見回りに行ってくれていた内に、自分にも魔法が使えるのか知りたくて、ネネさんの見よう見まねでそこら辺に落ちてる木の枝に魔法をかけてみる真似をして見たんですよ。そうしたら、木の枝の周りに空気?風の刃が出来上がっちゃったもんで、目の前の草を切るつもりで軽く振ってみたら、自分を中心とした前方半径200メートル位先までの草を、風の魔法?でバッサリと切ってしまって、それで辺りにいたモンスターを怒らせてししまって、気づかれないように大急ぎで逃げてきて今に至ります……」
そう伝えるとネネさんは驚いた顔をしていた。
「驚いたよナツ、その話は本当かい?
魔法は誰でも使えると言ったが、
勉強や修行をせずにすぐ使えるものではないんだ、
記憶がなくなる前は魔法を得意とした冒険者をしていたのかもしれないね?、
もしその話が本当だったら冒険者の中でもAランク相当の力を持っている事になるよ。」
「どうなんでしょうか…記憶がなくてさっぱりです…
でもAランク相当ですか…その辺りも記憶がなくてさっぱりなんですが、冒険者にはランク付けがあるんですか?」
大事な所は嘘をついてごまかした、
すみません!!ネネさん…
「そうだったねナツは名前以外の記憶がなかったんだね、すまない。
この大陸全土にはギルドという職業別の団体がある、例えば
冒険をして未開の地を探索したり、村や町人命を脅かすモンスターを退治したりすることを生業とする冒険者ギルド、
その冒険者達の、装備を作ったり日常生活を支えるための道具を作ったりするのが鍛冶ギルド
日常生活の食べ物、道具、または冒険者達の役に立つ道具、等を売る事を生業としているのが商業ギルド
そのギルドの中でもランクづけがあり、
SS、S、A、B、C、D、Eで7つのランクに分けられている。
例えば冒険者ギルドの冒険者なら全ての能力を数値化して、その能力に合わせたランクを与えられる。
それによって受けられるモンスター討伐等の仕事や探索に行ける場所なんかが変わってくるんだ。
さっき言った冒険者のAランクだったらこの大陸で3千人程度といったところかな。」
ネネさんが詳しく説明してくれた。
3千人か……微妙すぎてよくわからないや……
でもギルドとか冒険者とかワクワクする言葉が
たくさん出てきた!
もう興奮が止まらない!!
「そうなんですか!!色々なギルドがあるんですね、
ネネさんは、さっき戦っていたところを見ると、冒険者ギルドに所属しているんですか??」
「そうだ、私は冒険者ギルドに所属して、モンスター討伐や未開の地を探索する事を仕事としている。」
やっぱりネネさんは冒険者なんだ、女性1人で行動してるって事は相当な強さなのかな??めっちゃ気になる!
ネネさんの今のランクやどうな魔法が使えるのか等
色々と聞こうとしたその時、ネネさんが辺りを見回して
「まだまだ色々聞きたい事がありそうな顔をしているが、もうすぐ日も暮れる、そうなったら周囲のモンスター達が凶暴になって危険だ、時間があれば、ナツが魔法を使った場所も見てみたかったが残念だ、この先にある村まで急いで向かおう。」
そう言ってネネさんは今日の目的地の村へと
歩きはじめた。
まあ、後でランクの話も魔法の話も聞かせてもらえばいいか!そう思いながら、ネネさんの後ろに付いて歩いた。
ネネさんの後ろ、いい匂いがする……