初めてのモンスターと魔法
混乱する頭を整理しようとその場に座って考えた
自分は朝、会社に出勤しようと山の中を車で走ってた。
そうしたら急に頭に激痛がはしって、
気がついたら周りは草原で、
目の前には、めちゃくちゃ綺麗なネネさんがいた………
もちろん辺りには車も無く
舗装されてない道が続いている。
自分の服装も朝、家をでた時と同じ深緑の作業着だし。
一人で考えても結局答えは出なかった。
そこで倒れてるところを助けてくれたネネさんに
尋ねて見ることにした。
「ネネさん、あの…」
「ナツ!下がって!!」
ネネさんに声を掛けようとしたその時
ネネさんの張り詰めた大きな声によって遮られた
何事かと思い辺りを見回すと、そこには
ゲームや漫画でよく見る、
体は小さく、顔も醜悪なモンスター、ゴブリンがいた
「んっ?えーと、んっ??」
目の前にゲームや漫画の中でしか、存在しえない存在
モンスターと呼ばれる生き物が現れたことによって
自分の思考回路はショートしていた。
しかし、そんな自分をゴブリンたちが待ってくれるはずもなく、ありきたりな棍棒で襲いかかってきた。
その時何か違和感を感じた、普通であれば
棍棒を持った得体の知れないものに襲われれば
怖いと感じるのが普通なのに、恐怖心が
全くもってなかった、
逆に全てを見切って避けられるとさえ感じてしまった。
そんなことを考えていると、隣でネネさんが
何かをつぶやいていた。
「我が武装にまといて刃と化せ!シャイド!」
その瞬間ネネさんが持っていた、
木で出来た刀身がない柄の先に空気が圧縮されて出来た風の刃が出来上がった。
ネネさんが武装したかと思うと次の瞬間には風のように音も無く、ゴブリンたちに接近して、三匹の持っている棍棒ごと体を一刀両断していった。斬られたゴブリンたちは
赤い石を残して灰になってしまった。
いきなりの事でびっくりしていると、
武装を解除したネネさんがこちらに戻ってきて
「大丈夫?ナツ?」
と優しい笑顔で聞いてきた、
やめてください!
その笑顔でこちらを見ないでください!!
職場が男だけだったこともあって女性耐性が低い自分は
笑顔を向けられただけでも直視していられなくなってしまう。
「大丈夫です!本当に助かりました、
ネネさんめちゃくちゃかっこいいですね!」
と言ってチラッとネネさんの方を見ると
ネネさんは頬を少し赤く染めて
「やめてくれ、照れるじゃないか」
と言ってきた、なにこの反応可愛すぎ!!
ただ1つ自分が疑問に思ってる事があり
ネネさんに聞いて見ることにした
「あの〜ネネさん、1つお聞きしたいことがあるんですが」
「なんだい?」
「今の敵がゴブリンで
ネネさんが使ったものは魔法であってますか?」
「その通りだよナツ」
それを聞いた瞬間自分はネネさんから少し離れたところまで走り出し、太陽に向かって大声で
「これが噂に聞く異世界転移ってやつですかーー!?」
と大声で誰に聞かせるわけでもなく叫んだ。