第28時限目 不思議のお時間 その37
「共通点、あるよね?」
「ん?」
「何かあったっけ?」
私の言葉に、星歌と晴海がほぼ同時に首を傾げた。
「4人ともスタピのコンサートに行ってたし、音楽が好きってとこ」
……そう言ってから思ったのだけれど、桜乃さんってどっちかというと音楽が好きでスタピのコンサートに来たというよりも、美歌さんに連れて行かれただけだったような気がした。
ただ、後で本人に確認したら、スタピとsound of the seaの曲は最近よく聞くとのことだったから、まあ間違いではなかった……ということで。
「確かに!」
「……あー、まあそうか」
それだ! という表情の晴海と対象的に星歌は理解こそすれ、納得まではしていない様子。
その理由はこうだった。
「分からんでもないがそれだけだからな。流石に2泊3日はもたないだろうな……」
「まー、そだねー……」
星歌の言葉に晴海もちょっとトーンダウン。
……2人から声を掛けているのだから当然といえば当然なのだけれど、あの2人を諦めようというのではなく、どうしたらメンバーとして楽しくやれそうか、という前向きな考え方をしてて良いな、なんて思ったり。
最初に会ったときの、あの不良感なんかもう全く見る影もない。
そんな気持ちが顔に出ていたのか、
「ん? どうした? ニヤニヤして」
と星歌に訝しまれたから、私は慌てて取り繕いつつ言った。
「あ、いやいや、何でも。とりあえず、2人を改めて誘ってみるしかないんじゃないかな」
口に出しては言わなかったけれど、多分あの2人が他に組む子が居るかというと……うん。
「……確かに、考えても仕方がねーか」
「そういや、他のチームの話、全然聞かんよねー」
「あの小テストの話で全部ふっとんだんじゃないかな」
私がそう言うと、ほぼ同時に2人から同意が得られた。
「寮ではそんな話はしてないのか?」
「うん、してないけど――」
そう前置きしつつ、私の予想を話した。
多分、華夜と千華留は一緒だろうし、ほのかと智穂も間違いない。
繭ちゃんはやっぱり萌とかな?
花乃亜ちゃんはどうするんだろうか……何となく、繭ちゃんたちのチームに入りそうな気がする……みたいな感じで。
クラスメイトの人数を数えていて気がついたのだけれど。
「そういえば、渡部さんってどうするんだろう……」
「あー、ロボ子ちゃん?」
膝の上に乗ったテオを撫でながら、晴海が言った。
「そうそう。確か、文化祭の喫茶店の作業でも3時間フル稼働はきついと言っていたけど」
「あー、確かにな。むしろ、修学旅行は歩き回るのがメインだし」
「あの大きさじゃねー。ってかあのコ……猫耳ちゃんも来ないんっしょ?」
晴海の言葉に、私は「あー……」と言葉を付けてから、
「確かに3年生ではないし、来ないと思うけど、どうなんだろう」
と首を捻った。
「意外と来たりしてな」
「もし来るなら、やっぱこやまんとこのグループに連れて行かれるのんじゃない?」
「それは……まあ、そうだろうね」
みゃーちゃんが他の子たちに付いていくとはあまり考えられないし、かといって坂本先生が来るというわけにも……。
「んじゃ、やっぱロボ子ちゃんもこやまんチームじゃね?」
「となると……あれか? 小山んとこだけ8人グループとか?」
「あー、ありそう。中途半端に6人とかしないで、もう1グループくっつけちゃいましたーみたいな。だったら、後2人分も枠あるじゃん! じゃあ、その枠確保でー」
星歌の案に晴海が相乗りするけれど、流石にそれはないんじゃないかな……。
「てか、最初からもっと大きいグループで良かったんじゃね?」
「でも、もし8人チームとかになると、行きたい場所が全然一致しなくて……」
そんなこんなでついつい話し込んでいたらいつもの寝る時間を軽く過ぎていて、今日は何だかやけに眠いな……と時計を見た3人が、ほぼ同時に声を上げてしまったくらいの時間になっていた。
そこから布団に入りはしたけれども、いつものもふもふ献上が終わってないと不満げなテオを撫でながら寝落ちした私は、翌日眠い目を擦りながら授業を受けていた。
「今日は眠そうですね」
「何かあったー?」
「昨日は面白い番組はあんましやってなかった気がするけど」
いつもの3人が私の席でそう言って、苦笑していた。
「いや、それが昨日、寮で勉強会があってね……」




