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あー・ゆー・れでぃ?!  作者: 文化 右


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第28時限目 不思議のお時間 その18

 勝手に入るなって言われた翌日どころか当日に、一体全体何をやっているのかと思われても仕方がない、ということは分かっている。


 別に理事長さんの言葉を、鳥のように3歩歩いて忘れたわけではなく、退きならない理由があったのだけれど――


「ねえ、デカブツ。言ってたのはこの辺よね? 何も見えない?」


「……うん」


 周囲に視線をめぐらせる千早ちはやさんのぶっきらぼうな言葉に、私はうなずく。


 まあ、彼女がこういう性格だってことは分かっているから、あまり気にしていない。


 ただ――


「最初から期待していないから大丈夫よ」


 玉瀬家のお母さん……はるかさんも一緒いっしょ、というのがね。


 こちらもこちらでかなりぶっきらぼうな言葉。


 この刺々(とげとげ)しさは私相手だからというのもあるとは思うけれど、この母娘おやこが普段どんな会話をしているのか、全くイメージが出来ない。


 お父さんはお父さんで押しが弱そうだったし、なおのこと会話に参加するのが難しそう。


 遥さんは最初に会ったときは物腰が柔らかい、綺麗きれいな人というイメージだったのだけれど、まあ色々あってからは……うん。


 うちの神社に来るなと言われたあの日以降、可能な限りあの神社に近寄ることを避けていたのだけれど……。


 時は、私と星野さん、そして桝井ますいさんが放課後に理事長室へ行って、こってりしぼられた後、部屋を出たところまでさかのぼる。


「ひー、怖かったなー」


「ですわねぇ……」


「うん」


 理事長室を出て、廊下ろうかを歩きながら話す。


 理事長さんに「次やったら分かっていますね?」とくぎを刺されたときの、理事長さんの顔がヤバかったのだけれど、2人も同じ感想をいだいていたから、そう思ったのは私だけじゃないんだなとちょっと安心した。


 そんな私たちだったのだけれど。


わたくしたちは写真部の部室に寄ってから帰りますわぁ」


「うん……あ、もしかして、昨日の潜入せんにゅうのとき、撮影してたとか?」


「ええ。ただ、浅葱あさぎが教室でどたばたした後に、スマホを落としたときにカメラがオフになっていたようで、それ以降が撮れていませんので、恐らく何も映っていないでしょうけれど」


 流石さすがというべきか、彼女たちは写真部というよりは諜報部ちょうほうぶ的な存在と考えた方が適切なんじゃないかなと改めて思った。


 2人と別れた私は教室にもどり、教科書やノートをかばんに収めて、さてりょうへ帰ろうかと歩き出したところで。


「待ちなさい」


 突然、トーンが低い女性の声に呼び止められた。


 その淡々(たんたん)とした声色こわいろからすぐに千早さんだということは分かったのだけれど、普段よりも更に1段階下というか、人によっては恐怖さえ覚える雰囲気ふんいきの声だった。


「えっと……どうしたの?」


「いいから、来なさい」


「あ、はい」


 彼女の押しに負けて、私は大人しく彼女についていくと、もう人が居なくなっている休憩きゅうけいスペースに到着した。


 目的地に着いて早々(そうそう)、振り返った千早さんは私に指を突きつけてこう言った。


「……単刀直入たんとうちょくにゅうに言うわ。貴女あなた、行ったわね?」


「え、行った? 何処どこへ?」


 話の流れが全く分からなかったから、私は首をかしげたのだけれど、それが火に油を注ぐ行為だったようで、


「とぼけないで!」


 と烈火れっかごとく怒り出した。


 いや、とぼけているわけではないのだけれど……?


「行ったら駄目だめだと行ったでしょう! 貴女、たましいの状態が普通じゃないんだから、何が起こるか分からないと言ったはずよ!」


「魂…………ああ! 夜……の、学校の話?」


 ようやく思い当たった内容にぽんと手を打って、思わず声が大きくなりかけたけれど、すぐに声のボリュームを落として尋ねた。


 一方で、ボリュームを落とす気配が一切ない千早さん。


「そうよ! 行くなと言ったでしょう!」


「あ、うん……ただ、あれには非常に深い理由わけがありまして……」


「理由があるかどうかなんて関係ないわ。自分を危険にさらしたという認識がなさすぎるの!」


 素直に話を聞く以外、怒りを止める方法はなさそうだったので、私はとにかく黙って話を聞いた。


 千早さんもどうやら先生たちと同じで、心配してくれていたからこその発言のようだったけれど、まあ……とにかくすごかった。


 しかし……この話、だれから聞いたのだろう。


 私は当然千早さんと話をしていない。


 写真部の2人は……まあ何かの情報と交換条件で話した、という可能性はあるかもしれない。


 ただ、あまりあの2人と接点はなさそう。


 じゃあ、誰だろ――


「聞いているの!?」


「あ、ごめんなさい」


「そのとぼけた回答……やっぱり貴女は今後も”デカブツ”よ」


「えー……」


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