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あー・ゆー・れでぃ?!  作者: 文化 右


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第17時限目 水際のお時間 その12

「あ、あの、えっと……」


「どうしましたか?」


 いや、当たり前のようにこちらを見られても!


 正木まさきさんはかいさない……というより、単純に不思議と思っていない様子。


 え、女の子同士だとこういうの普通なの!?


 あ、いや、でも美歌さんとか大隅おおすみさんとかも普通に同じ更衣室に入っていたし、当たり前なのかな?


 むしろ、変に思っている私の方がおかしい?


 ……いやいや、あの大隅家のことだから――


「すみません、ちょっとだけ狭いですが、着替えはできそうですね」


 そう言って、いそいそと服を脱ぎ始めた正木さんに思わず、


「は、はいっ! そ、そうですね!」


 と過敏な反応を示してしまった私。


「?」


 私はこれ以上、変な反応をしないようにと思って、出来るだけ正木さんの方を見ないよう――


「おわっ!」


 そうだった!


 試着室の中で私が奥、正木さんが手前。


 で、試着室の奥には姿見すがたみ


 手前に居る正木さんの方を向かないようにと背中を向けたら、当然私は姿見の方を向くことになるわけで、どどーんと映った正木さんの、その、後姿……を直視してしまった。


「大丈夫ですか?」


 振り返って心配そうに私を見る正木さんに、


「だ、大丈夫です。あの、ほら、素肌すはだの状態で姿見に触れちゃって、ちょ、ちょっと冷たかったっていうか……あはは」


 と誤魔化ごまかすけれど、


「あ、それ分かります。鏡ってちょっと冷たいですよね」


 なんて返してくれて、ごめんなさい正木さん、本当はもっとよこしまな気持ちが原因でした……と心の中で謝罪する。


 今度は落ち着いて、あまり見ないように……と気合いを入れてみたはいいけれど、あまりに近すぎて視界に入れない方が非常に難しく、かつ落ち着こうとすればするほど、正木さんの、ちょっとどきりとする香りもして、正常な精神状態を保つのが非常に大変。


 でも、どうにかしようにもどうにもならないので、もう私に出来ることは無心で着替えることだけだった。


「あ、小山さん……」


「は、はいっ」


 私がさっさと全部脱いでしまおうと思って、ブラのホックを外したところで、正木さんが声を掛けてきたから、うわずりそうな声を必死でなだめつつ、私は返答した。


「水着の試着の場合は、下着の場合と違って、全部脱がずに、下着の上から着た方が、その、いいかなって、思うので……」


 ちょっとほおを赤らめて、正木さんがそう言う。


「あ……そ、そうでしたね! あはは、すみません、確かにそうですね! 何で下着まで脱ごうとしちゃったんだろ、あはは……」


 いや、待って、下着の試着って直接してた気がするけれど、水着って下着の上から試着するの?


 い、いや、まあ、分からないけれど、正木さんが言うのであればそうなのだろうと思うので、私はあわててブラのホックを止めなおそうとして……上手く引っ掛けられなかった。


「あ、あれ……?」


 実は未だにブラのホックを止めるのって苦手で、後ろにホックを持って、見えないまま引っ掛けるというのは、1人で落ち着いていても結構時間が掛かる。


 あまりに上手くいかないときはちょっとゆるめのブラの場合は前側で留めてからぐるりと回してホックを背中側に回す、ということとかもしているのだけれど、今回は比較的ぴっちりとしたブラだったから、直接止めるしかない。


「小山さん、待ってください」


「え、あ」


 私の様子を見かねてか、正木さんがすっと手を伸ばし……え、私に抱きつくの!?


「ホック、私が留めますね」


 ……と思ったらそっか、代わりにホックを留めてくれるんですね、と安堵あんどしたのだけれど、その直後の衝撃しょうげきが衝撃的すぎて衝撃だった。


 ああ、うん、おかしいのは分かっているのだけれど。


 正木さんも水着に着替える直前だったから、上下下着姿だったわけで、その状態で私の背中に手を伸ばすから、その……はたから見れば下着姿で抱き合っているとしか見えないレベル。


 さっきまでの香りにプラスで、私のお腹辺りに自分の偽物の山とは比べ物にならない弾力を目一杯受けたことで、多分私の目がアニメチックにぐるぐると渦巻うずまきを描いているんじゃないかって感じになっていたけれど、


「はい、大丈夫です」


 との声が聞こえて、1度大きく深呼吸してから、


「あ、ありがとうございました、助かりました」


 と笑った。


 ……ああ、激動でした、色々と、うん。


「あら?」


「ん? どうしました?」


 急に顔を寄せてくるから、私はまた頬が熱くなるのを感じつつ、正木さんの疑問符ぎもんふに疑問符を返してしまった。


「小山さんのイヤリング……片方しか無いです。ごめんなさい、もしかして私が今ブラのホックを掛けたときに……?」


 正木さんが少し慌てた表情で、畳んだ服をもどそうとしたから、


「ああ、ええっと……これ、イヤリングではあるんですが、実際は用途が別で……あ、だからその、片方だけで合ってます!」


 とぐちゃぐちゃな言葉なまま、ひとまず吐き出した。


「?」


 キャッチボールしているみたいに、また正木さんがハテナを返した。


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