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あー・ゆー・れでぃ?!  作者: 文化 右


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第10時限目 融解のお時間 その3

 とにかく、その情報筋という子……先生という可能性も否定できないから、その人と言うべきかもしれないけれど、何にせよ気を付けておいた方がいいかな。


 ただの噂で済んでくれれば良いけれど、いい加減なことばかり言ってノワールちゃん、果てにはみゃーちゃんに危害を加えるような状況になりかねない。


「ノワールちゃん、いい子だと思うけど……」


 正木さんも私の援護をしてくれているけれど、一旦思い込んでしまったからか、岩崎さんは絶対にそうだとばかりに言葉を続ける。


「いやー、ああいう可愛い姿だからこそ、あたしたちの目をあざむいている恐れがあるわけでさ。それに魔女とかにも代表される黒猫だよ? だからさ……」


「黒猫だからって、それは偏見……じゃないかな」


 あまりの言い草に、私が一瞬「偏見だよ!」と言い放ちそうになったのを堪え、少し落ち着いて言ったけれど、岩崎さんがちょっとムッとした表情で言う。


「何で?」


「もし、その人が言う通りノワールちゃんが誰かによって吸血鬼にされて誰かを襲っているのなら、ノワールちゃんを吸血鬼にした犯人が別に居るってことでしょう? だったら、被害者であるノワールちゃんは悪くないと思うし、本来の犯人を捕まえないと意味がないと思うよ」


「でも、ノワールちゃんが吸血してたんだったら、ノワールちゃんも犯人の1人でしょ!」


 私の言葉に噛み付くように、岩崎さんがムキになって言う。


 言わんとしていることは分からなくもないけれど、相手が本当に犯人であるか分からないのに、相手を犯人扱いするのは非常によろしくないと思う。相手が猫とはいえ。


 本当の吸血鬼が誰か、ということを知っているからというのもあるけれど、明らかに情報が少ない現状でそんなに断定的に喋らないほうが良いんじゃないかな、と思っての言葉だったのだけれど。


「もう良いよ! 準は否定ばっかり!」


 岩崎さんにとってはいたく気に入らなかったみたい。


 残っていた白米を掻き込んで、岩崎さんが席を立ち、ずんずんと足音を立てながら教室に戻っていった。


 ……今の、私が悪かったのかなあ。


 もう反射的に喧嘩腰で喋らないぞ! と決めていたから何とか売り言葉に買い言葉にはならないよう踏み止まった、つもりだったけれど駄目だったみたい。


「小山さんは間違ってないですよ」


 1人脳内反省会をしていたところで、背中にすっと手を掛けてフォローしてくれる正木さん。


 片淵さんも、


「そうそう。真帆ちんも準にゃんにも信じて欲しかったんだろうねー」


 なんて言いながらいつもの笑顔。


「うーん……」


 少なくとも正木さんと片淵さんが私に同意してくれたから、明らかに私の考え方がおかしいというわけではないことが分かったけれど、岩崎さんと喧嘩してしまったのはあまりよろしくはない。


 というか正木さんと片淵さんも同じ意見だったというのに、何故私のときだけ……と思ったけれど、やっぱりタイミングと言い方なのかな。


「でも、真帆の話って一体誰から聞いたんでしょうか……」


 正木さんの疑問に、私も即座に頷く。


 岩崎さんに要らないことを吹き込んで、洗脳したみたいなものだし、情報筋とやらの姿についてはちゃんと確認しておく必要がある。


 そういえば、前に中居さんも情報源がどうとか言っていたような。


「んー、あ、もしかすると写真部とかー?」


「写真部なんてあるの?」


 私の疑問に、片淵さんがペットボトルのお茶を飲んでから答えてくれた。


「あるよー。名前の通り、写真を撮るだけの部活だけど、実質今は2人しか活動してないんじゃなかったかなー。去年までは3年生も居たけど、今年は新入生も入ってないし、うちのクラスの2人だけだったと思うけどねー」


「そうなんだ」


「噂では門外不出な写真も結構あるらしくて、生徒たちはもちろん、先生たちも迂闊うかつに注意出来ないとかなんとか聞いたねー」


「……なるほど」


 想像していた”謎の情報収集能力を持っているという報道部的な立ち位置の部活”ということね。


 そうなると、尚の事その2人というのが気になる。


「うちのクラスに居るの?」


「そそ。ま、ただその2人が本当に犯人かは分かんないけどねー」


 確かに謎の権力を持っているらしい、というだけで決めつけるのは良くないけれど、情報としては知っておいた方が良さそうな気がする。


「ま、嫌でもその内、転校生の準にゃんに近づいてくるんじゃないかねー?」


「……別に転校生だからって、収集する情報とか無いような」


「いやいやー、あの二見台から来た天才長身美少女転校生だし、結構注目度高いらしいよー。まあ逆に、注目度高すぎて、近寄り難いのもあるらしいけどねー、にゃはは」


「あ、あはは……」


 何だか形容詞の塊がむず痒くなるなあ。


「でも、彼女たちが真帆に情報を吹き込んだかは分からないですが、小山さんのことを調べているみたい、というのは本当のようです。気を付けてくださいね」


 真剣な眼差しで正木さんまでが私にそう言うから、


「ええ、ありがとうございます。気を付けておきますね」


 と素直に2人の忠告を受け取った。


 ……そんな危険人物なのかな。


2018/12/9 誤記修正

「写真部?」

「写真部なんてあるの?」


何気なく見返していたら、片淵さんの言葉と全く合っていませんでした……。

というわけで、片淵さんの言葉と合うように修正しました。

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