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あー・ゆー・れでぃ?!  作者: 文化 右


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第7時限目 運命のお時間 その25

「ほら、こっちも」


「うっ……」


 そのまま中居さんが私の手を導いていくのは下半身の方。正直、こちらの方がデンジャラスなゾーンが沢山あるのだけど、中居さんはわざと私の手をじっくりねっとり動かして楽しんでいるような気がする。やっぱりこの子、ヘンタ……いやいや。


 そして、色んな所に触れる度に演技がかったあられもない声をいちいち出すので、その度に私の手が止まるから、


「相変わらず肝っ玉のちっさい奴だなー」


 と大隅さんからジト目を貰う。いや、それよりも言うべき言葉、言うべき人が居ると思うよ?


「だからこその練習じゃん?」


 いや、1番の原因は貴女なんですけどね?


 結局、中居さんの声と行動に翻弄されながら、私は中居さんの隅から隅まで制覇した、いやしてしまった。


「あーい、お疲れさーん」


 中居さんの言葉に私は大きく安堵の息を吐いたけれど、私に安寧の時間は訪れない。


「おい、小山。休んでないでさっさとやってくれよ」


 そう、まだ1人目が終わっただけ。既に大隅さんは私の方に背中を向けて待っている。


 うう……やっぱりそうなるよね、知ってた。


「う、うん」


 中居さんのときと同じように、背中から順番に塩塗りしている指を進めていく。


 大隅さんの背中は思ったより小さく、失礼を承知で言えば、喋り方はやや粗野だけれど、大隅さんも女の子なんだなあって思ったくらい。身長はそんなに低くないはずなのだけど、スリムだからかな?


「あ、こやまん。胸に塗るときは、今度は背後からやってみよー」


「へ?」


 大隅さんの背中に塩コーティングが塗り終わる辺りで、そんなことを中居さんが手をわきわきさせながら提案してきた。


「後ろからわしっ! とこんな感じで」


 私の横から大隅さんの豊かな2つの丘を両手で持ち上げて、そのまま両手でもにゅもにゅと実演する中居さん。


 見てる側はうわあ! なのだけど、触られている本人は全く動じる様子が無く、


「いや、揉んでるだけで塩塗れてねーじゃん」


 と何処吹く風。やっぱり、女同士だとそういうものなのかもしれない。


「いやいや、先に塩を満遍なく塗って、最後に擦り込む代わりに揉めば1度に2度美味しいじゃん?」


「何がどう美味しいんだよ」


「こやまんが星っちのこのスイカを堪能できるぽよー」


「スイカ言うな、後さっさと揉むのやめろ。おーい小山、さっさとやってくれ」


 中居さんをひっぺがし、私に向かって背を向け、両手を広げる大隅さん。脇の下から手を入れろ、のポーズ? だよね?


「じゃ、じゃあ……」


 中居監督の指示の下、主張の強い2つの肌色半球へ、まずは既に湿気を吸って若干固まりつつある白い粉というか白い塊を優しく広げる。


「丁寧過ぎじゃん?」


「そんなちんたらやってたらいつまで経っても終わんねーぞ」


「そ、そうは言っても」


 中居さんのときでもドキドキしたけれど、やはりボリューム感が半端ない訳で。刷り込むにも下から重力に逆らって持ち上げなければならないと事実だけでくらくらしているのに、サウナで後ろから鷲掴みにしているなんて事実と改めて直面すると、正直健全な青少年には刺激が強いとかいう次元の話ではない。


 よし、無心無心。女同士のいちゃつきの延長線上だから……。


「……小山、何か触り方がヘンタイっぽいぞ」


「ええっ!?」


 煩悩と誘惑を振り切って、無心で塩の塗り込みをしていたはずなのだけど、大隅さんにそんなことを言われて慌てて両手を離す。


「へ、ヘンタイっぽい触り方って何?」


「いや、何だろうな。良く分からんが、何となくそんな感じだった」


「こやまんはシスコンでロリコンでヘンタイだったかー」


「違うからね!?」


 何か増えてない!?


「いや、別に嫌じゃねーんだが……とりあえずもう胸は良いから、さっさと他やってくれ」


 大隅さんがそう次を急かすから、名残り惜し……くないけれど、手をそのままお腹周りに進めていく。


「ふははははっ、くっ、くすぐってえよ!」


 どうやら大隅さんの弱点なようで、お腹の上で手を滑らせると、その都度いつものやや男勝りな声が体と共にひっくり返って、随分と女の子らしい声になる。


「ちょ、ちょっとじっとしてて!」


「しっ、仕方ねーだろ。くすぐったいもんはくすぐったいんだよ」


「じゃあ、自分でやった方が良いんじゃ?」


「いや。ここまでやったら小山に最後までやらせる」


 キリッ、とキメ顔で言うのだけど、とどのつまり、人にやらせたいだけなんじゃ?


 とりあえず、その疑問は脇に置いておくとして、私が大隅さんの想像以上に柔らかい体中をおっかなびっくりなぞり、下半身へ手を伸ばそうとしたところで、


「わぶっ!」


 大隅さんの顔に白い何かが降ってきた。


 その何かが、相撲の土俵入りみたいにひとつかみ分くらいファサーッと投げられた塩だと気づいたのは、


「……岩崎、てめーっ!」


 と大隅さんが真っ先に気づき、激高していたからだった。


「あんたにはそんな扱いで十分でしょ」


2017/10/25 誤字修正

「色んな所に触れる度に縁起がかったあられもない声をいちいち出すので、」

「色んな所に触れる度に演技がかったあられもない声をいちいち出すので、」

初歩的な誤字です。

ご指摘いただきましたので、修正しました。

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