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あー・ゆー・れでぃ?!  作者: 文化 右


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第7時限目 運命のお時間 その23

「ふぁー、生き返るー」


「だぬぇー」


 湯船に浸かった直後に蕩け状態になった岩崎、片淵ペアに遅れること数歩で、私と正木さんも浴槽に浸かる。んー……思ったよりも温めだったけれど、これはこれで気持ちが良いかな。


「あー……疲れた」


「そうですね、疲れました」


 伸びをした私の隣で連鎖反応のように伸びをする正木さんのぐいっと押し出されたお山をあまり凝視しないように気を付けつつ、私がそう答えると、


「明日からどうするー?」


 ほんわり笑顔のままで片淵さんが誰に回答を求めるとも決めずに言う。


「そういえばそうだね……」


 今日の予定すらも割りとギリギリに決まっていたから、まだその先は考えていない。でも、ゴールデンウィークもそんなに長いわけではないからいつまでも遊んでいられないし、考えたくはないけれど勉強もしなければならない。


「お金も無いし、頻繁に遊びに行けないなー。あー、もっとお小遣いあればなー」


 頬をふくらませる岩崎さんが浴槽の縁に頬を乗せて言う。


 確かに今回は優待券が有ったから助かったけれど、お小遣いもそんなに自由に使えるほど多くはないから、節約は必要。


「うーん、時間を潰すっていうとまたボーリングとか?」


「いやー、時間潰すだけならカラオケの方が潰せるんじゃないかなー。フリータイムのドリンクバーとかだったら良いと思うよー」


「あー、それ良いね。ま、休みだから人多そうだけど」


 片淵さんと岩崎さんの話を少し困った表情で聞く正木さんに気づいて、私は声を掛ける。


「どうしました?」


「い、いえ……その、あまりカラオケは得意じゃないので……」


 控えめなトーンで正木さんが言うと、


「いや、紀子は歌自体下手ではないんだけどね。曲のレパートリー少なすぎるから……最近の流行りの曲とかも覚えた方が良いよ」


 と言いつつ、岩崎さんが続けて私の方を向く。


「小山さん……ううん、準はどう? カラオケとか行く?」


「えっと……あはは、行ったことは小学校くらいのときに1回くらい行ったかな、って程度です……あ、程度かな」


 まだ岩崎さんも私も、お互いタメ口に慣れてないからたまに名字呼びとか敬語が混じったりするぎこちない会話をする。その内に慣れるかなあ。


「え? ……準ってホント真面目っ子だったんだね」


「だねー。こりゃ、色々遊びを教えてあげないといけないね、いっひっひ」


「ですなあ、ふっふっふ」


 呆れ顔だった岩崎片淵コンビが、今度は悪巧みボイスを出す。何をさせられるんだろうか、ちょっと不安。


「んじゃま、明日はカラオケでも行こっかねー。紀子っちもまあ、たまには良いんじゃない?」


 片淵さんの言葉に、少しだけ眉をハの字にした正木さんだったけれど、


「……そうですね。たまにはいいかもしれないです」


 こくり、と頷いた。


「よーし、明日のことも決まったし……あっ、塩サウナあるじゃん! 行ってみようよ」


 岩崎さんがややテンション高めに壁に掛かった看板を指差すけれど、聞きなれない言葉に私は首を傾げる。


「塩サウナ?」


 普通のサウナはもちろん知っているけれど、塩サウナって何だろう。


 私のそんな疑問について、即座に答えてくれる正木さん。


「塩サウナというのは、体に塩を塗って入るサウナです。普通のサウナよりも温度が低いことが多いですが、体の表面に塗った塩が毛穴に詰まった皮脂を出してくれることから、普通のサウナよりもお肌がつるつるになる、らしいです」


「そうそう。というわけで行こっ」


 言いながらざばんとお風呂から上がり、岩崎さんが足早にサウナへ向かう。行動が早いなあ。


「んじゃあ、アタシたちも行こっかねー?」


「そうだね」


「そうですね」


 先に行った岩崎さんはサウナの扉の前で仁王立ちして待っていた。だから隠して……いや、いいか。


「塩は中にあるよー」


 そう言いつつ、岩崎さんが扉を開けると、


「あーつーいーぽーよー」


「うるせえな。普通のサウナも駄目だって言うからこっちにしたんだろ。なら最初からサウナ止めとけよ」


「えー、でも美肌でつるつるっしょー? だったら、我慢するー」


「じゃあ黙って我慢しろよ」


 と何か聞き覚えが有る声……というかさっき聞いたばかりの声が。


「……まさか」


 岩崎さんの視線がこちらに向く。どうやら岩崎さんも思い当たる人物が居るみたい。多分、想像している人物は同じだね。


 果たして、サウナの中には茶髪女子高生2人が四肢を投げ出しながら横になっていた。


「やっぱり……」


「んあ? ……なんだ、岩崎、とその仲間たちか」


 上半身だけ起こして、私たちに視線を放り投げる大隅さん。もちろん、こちらも男気溢れるノーガード。


「……ありゃあ、居たんだねー」


 太田さんと遭遇したときの表情とどちらが嫌そうかは比較してみなければ分からないけれど、少なくともクラスメイトを迎え入れる顔とは思えない表情の片淵さんと、


「…………」


 言葉は無くても不満そうだということはひと目で分かる表情の正木さん。


 ああ、この人達は全く……!


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