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1-1 二日酔いからの帰還

非常に最悪な目覚めだった。

起きた瞬間に目の前が渦潮に飲み込まれたようにぐるぐると回り、倦怠感と吐き気が同時進行で彼に襲い掛かってくる。

あぁ、昨日飲みすぎたんだなと彼はは昨日の件について感想を述べている。

そんなに酒は強いほうではない。それでも1杯や2杯程度焼酎を飲んだくらいではまったく酔うことはないと自負はしている。

昨日飲んだ酒は、コロナ2杯と焼酎、ウイスキーのロックをそれぞれ3杯ずつ・・・・

うん、明らかに悪い酒に手を出してしまったと今になって後悔している。

それでも彼も一人の大人だ。酒を覚えたての大学生ではなく、ちゃんとした酒の飲み方をマスターしている32歳の立派な男だった。

今まで彼女なし。32年間童貞であるということを除いては。

そう、32年間彼女すらできていないことについて。

大事なことなので・・・・・・


とりあえず昨日のことに話を戻そう。

昨日は大学時代の友人と同窓会を開いていた。

もっとも、大学時代ラグビー部に入っていたおかげでやたら体格のゴツい男がほとんどで女はまったくいなかった。

男だらけのむさくるしい飲み会だった。

男だけで話すことといえば一番にあがるのが女の話についてだろう。

もっとも、その日にきていた面子の半分は既に結婚していて子持ちもいるという。そういったやつらにたいてい聞かれる話が結婚という言葉だろう。

早く結婚しろだの彼女作れだの、そういった話が酒の肴となっていった。

その中で特に言われるのが彼だ。

結婚してない男の中でも、最低一人は彼女を作ったことがある、または今彼女がいるという人が多い中で唯一彼女作ったことがないという極めて残念な男であるということだ。

そのせいで一番屠られるのが彼の役割といったところか、彼女ができないことに反発し、どんどん酒が入っていった結果、今に至る。というわけなのだ。


ちなみに彼の名誉のために言っておくが彼はブサイクではない。むしろ、昔のラグビー部の中で美男子コンテストを開催すれば間違いなく優勝するだろうくらいには顔立ちは整っている。

そんな彼も、高梨瑞樹|たかなしみずき|も、なぜ彼女ができないことには少々焦ってはいるのだが。


そして今に至る。二日酔い抜群で目覚めた身体を起こしていつものように一人で朝食を作り、いつものように洗濯物をたたみ、いつものように着替えをして髪を整えて、いつものようにごみを出し、いつものようにニュースを見て、いつものように皿を洗い、いつものように一人で出勤をする。

体は重かったが、それでも仕事なのでいつもどおり7:15分にアパートから出た。

行ってきますといっても帰ってくる返事はない。毎朝同じルーティンでいつもどおり仕事場に向かうのだった。

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