私の『心』
この前の私の発言覚えてますか?
今その言葉言えますか。
私は後悔しましたか。
私は嬉しくなりましたか。
眩しい日差しに私は目を開ける
いつもと一緒の太陽の陽と輝きが私を照らす
また今日もいつもの1日が始まる。
「おはよう」
「おはよ」
隣で一緒に寝ていた妹も目を覚ます
時刻を見るその目は少し乾いていた。AM6時30分
誰が開けたのか、窓が開いていた
私は窓を閉めるために立ち上がり、重い足を窓へと運ぶ。
『おはよー』
『おはよー宿題終わったー?』
『全然ということで宿題見してください』
小学生の登校中の声が耳に入る
「いいなぁ、私も小学生に戻りたいわー」心の中でそう思った。
布団の中ではまだ妹が寝ている、やはり小学生は楽そうだ、
私はこれから学校に行き自主勉強やらなんやらやることがいっぱいだ。
「早く起きろー、布団片付けするよ?」
「んんー…おにゃんんーぐー…」
寝ぼけているのか日本語になっていない
ここは私の部屋、早く妹に出てもらいたい…。
「お姉ちゃんもう学校行かないと行けないから早く起きてー」
「んー…」
「ほら早く」
布団を片付け始めてみる。
予想どおり妹は起き始めた
ちょっとひどいことしたかな、と妹の顔を見て思う
膨れっ面だ。よく機嫌がわるいときにこの顔をする。
妹は膨れっ面のまま下のリビングへと降りていった
そこの行動は早いのか、といつも思う。
妹がいなくなってから布団を片付け今日の学校の準備をする
なにかと忙しいものだ、高校生は。
お金もかかるしなんなんだ、本当に
親にはいつも感謝しているよ、お金に関しては。
「行ってくる」
無言の返事、いつものことだしどうでもいい。
でもたまには声がほしかったりもする、言わないけど。
バスに乗り込み奥の席に座る、いつもの特等席…
と、今日は先着がいたらしく、その席には男の人が座っていた。
しょうがなく私はその席の一つ開けて隣に座る。
ふと、私の席を取った人、ここは名前をNとしよう
今そのSが読んでいる小説が夏目漱石の『心』。
その夏目のローマ字にした頭文字をとってS。
なんか顔立ちが綺麗な…これは美男にあたるものか、
しかもちょっと私の苦手そうなチャラいイメージが第一印象のSが
小説を読むなんて以外だな、と思った。
私が降りるバス停にバスが着いた
私が降りようとしたとき、Sも一緒に降りてきた。
「ここの近くに用があるのかな?」と内心思いながら
なんともない顔で私は学校に向かう。
私が歩くのと一緒のスピードで周りから見ればミラーリングしている
ようにもみえるかもしれない。
Sは前を向かず小説をただ見つめている
そんなに面白いものだろうか。
学校についた時にはもうそのSはいなかった
ちょっと残念な気持ちも残りつつ私は教室に向かい
淡々と誰もいない教室に足を踏み入れる。
私が自分の机に付いたとき、遠くから足音が聞こえてきた。
「あれ。」私は思った、この時間はほぼ誰も来ない
来るとしたら私がついて15分後くらいに吹奏楽部の人や
早起きの人が来るだけ、なのだが今日はどうやら違うらしい。
朝の日差しでできた影には男の子の制服を着ている
そうゆう影が映っている。
学校の教室、どこの教室だろう向こうを見に行っても
変に思われないだろうか。
そんな思考が頭をぐるぐるしながら私は思うがままに
教室の向こう廊下を覗いてみた。